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ハリウッドなう by Meg詳細

「アフェア~情事の行方~」シーズン4はまさか!の結末 完はシーズン5に期待したい

2018年11月5日
唸るほどの人間ドラマが影を潜めて何年になるでしょう?「This is Us 36歳。これから」(2016年)と今シーズンABCに登場したお涙頂戴新ドラマ「A Million Little Things」は、いずれも家族ドラマが核なので、「アフェア~情事の行方~」のように不倫がもたらした当時者4人と周囲への波紋をここまでリアルに描くドラマは他に見当たりません。因みに、10月26日ABCが「A Million Little Things」シーズン1に確約されていた13話に、4話を追加したと発表しました。ライブ視聴は418万世帯ですが、これにライブ放送7日以内の録画あるいはストリーミング視聴を加算すると2倍弱の801万世帯となり、今シーズンの地上波局の視聴者激増ナンバー1作品となったことが引き金となったと言うのです。やはり、「This is Us 36歳。これから」とは比較になりませんが、一巻の終わりとなるよりは吉報です。(比較的、控え目な喜び方ですね?笑)

話が逸れてしまいましたが、例によって例の如く、「アフェア~情事の行方~」シーズン4は日本でも放送されるものと仮定し、どんでん返しの逐一や微に入り細に入る解説は米国在住のブロガーにお任せして、できるだけネタバレを避けて大筋を心理分析したいと思います。

英文評はこちらをご覧ください。

シーズン1は、不倫の当事者ノア(ドミニク・ウェスト)とアリソン(ルース・ウィルソン)の二人の視点から描かれ、男と女では物の見方、感じ方がこれ程違うのか!と仰天する巧妙な描き方でした。更に、生い立ち、階級、教養などのフィルターを通して不倫が描かれたのも見所でした。


ドミニク・ウェストはしがない教師から、一躍著名な作家となったノアを演じる。「アフェア」に登場するキャラの中で、自己中でいつまでたっても大人になれない未熟人間。シーズン4でも、二男と二女の近くにいたいとLAに引っ越すが、間も無く職場の上司と良い仲に。


ルース・ウィルソンは、ノアのミューズとして利用(?)された感がある’悲劇の女王’アリソンを演じる。被害者役を演じるのが板に付いたアリソンは、ヘレンに指摘されて、漸く生き方を改めようとしたばかりに....今シーズンで降板した理由が取り沙汰されたが、真相は今の所不明。

現実逃避だったシーズン1とは打って変わり、シーズン2は不倫の犠牲になったヘレン(モーラ・ティアニー)とコール(ジョシュア・ジャクソン)の捨てられた側の視点が加わり、ノアとアリソンが築こうとする新たな世界が遭遇する数々の障壁を、シーズン1よりは遥かに早いペースで描きました。置き去りにした家族や日々の生活に追われ、波打ち際に築いたノアとアリソンの砂の城は音を立てて崩れました。不倫から出発した関係は、極めて脆いお信頼の上に築かれているため、些細なことから疑心暗鬼を生ずると実証されました。又、夫婦間の信頼も然りです。雲をつかむように、そこにあると確信していれば存在しますが、一旦確信が揺るぐと消え失せてしまいます。更に、「アフェア」は二組の夫婦を切っても切れない腐れ縁にするために、モントークで発生した刑事事件を織り込んだ点も、単なる感情の縺れや親権の争奪戦になりがちな不倫の波紋ドラマを格上げする仕掛けでした。シーズン2は、ノアの罪状是認で衝撃的な最終回を迎えました。


モーラ・ティアニーは、裕福な家庭でわがまま一杯に育ち、結婚にゴールインしたヘレンを演じる。安全株だと高を括って結婚したノアに裏切られ、捨てられたことがどうしても許せない執念深い中年女。ヴィック(オマー・メトワリー)と結婚した今でも、子供を利用してチクチクとノアをいびる。ヴィックから「子供のために犠牲を払ったことがあるのか?」と非難される程の’お姫様ヘレン’の自己中振りは、ノアと良い勝負と言える。


ジョシュア・ジャクソンが演じるコールのみが、反省を繰り返し、少しずつではあるが成長して来た。今シーズンは父親が自分探しに半年暮らしたカリフォルニアの海辺の街で、父親の元恋人に遭遇し、アリソンを忘れる為にヒッピー的儀式を試みるが、結局アリソンと縒りを戻そうとモントークに戻る。

シーズン3は、ノアが拘禁されてから3年が経過し、不倫の波紋は表面的には収まったかのように見えますが、未だ未だ深く潜行して行きます。作家志望の大学生相手に教鞭を執るノアは、キャンパスで巡り合ったフランス人客員教授ジュリエット(イレーヌ・ジャコブ)に誘惑されます。厳しい現実に耐え切れず逃避留学中のジュリエットが新たに加わって、5人の視点から描かれたました。サスペンススリラー要素は、ノアを苛む謎のストーカーに替わりましたが、看守に襲われたのも、自虐的行為も想像か薬物の副作用による妄想なのか定かではない、何ともスッキリしない終わり方でした。シーズン3が不評であったことを充分考慮に入れて、シーズン4にはじっくり時間をかけて構想を練ったと制作側は発表しています。制作の拠点がLAに移転した事も否めない事実です。

そして、本年6月17日~8月19日にシーズン4(10話)が放送されました。ドラマの舞台はヘレンとノアが住まいを構えたLAと、アリソンとコールが住むモントークの二箇所となりました。第一回目から、アリソンの失踪とヴィック(オマー・メトワリー)の異常が明らかにされ、早く続きが観たい!と思わせる、一気観に最適のシーズンです。ノアとアリソンの運命の出逢いから、6年後と言う設定になっており、不倫で最も打撃を受けたヘレンとコールも含めて、運命の糸でがんじがらめになっていた二夫婦は、ようやく解き放されて前進したかに見えますが….少なくとも、どのキャラにも新しいパートナーがいます。心機一転、新しい人間関係に没頭しようと努力はするものの、処理し切れていない暗い過去は、影のようについて回ります。例え、前進しようと環境や連れ合いを変えても、自分の悪い癖やパターンに気が付いて反省しなければ、結果は自ずと知れています。




夫ヴィックの昇進と共に、ヘレンは二男トレヴァー(ジェイドン・サンド)と二女ステイシー(レヤ・キャットレット)を連れて、LAの高級住宅街の居を構え、子育てに専念(?)しています。渋々セラピーに通ってはいますが、LAが体質に合わない、常に青い空と輝く太平洋が煩わしいなど、文句タラタラ。過去は全て水に流したと言い張るヘレンは、セラピストが過去を振り返ろうと持ち出すと怒りまくる始末です。見た目とは裏腹に、幸せな毎日ではないからです。自己中の’お姫様ヘレン’は、安全株だと思って結婚したノアに裏切られ、捨てられたことがどうしても許せません。長女ホイットニー(ジュリア・ゴルダーニ・テレス)、長男マーティン(ジェイク・シシリアノ)は既に巣立ってしまったので、トレヴァーとステイシーの子育てに参加しよう、父子の絆を断ち切られないようにと、LAに引っ越してきたノアの弛まぬ努力が感に触ります。ノアがヘレンの罪を被って拘禁されたことなど、すっかり忘れて、あの手この手で横槍を入れるのは、ノアの裏切りを徹底的に罰することしか頭にないからです。


オマー・メトワリーは、シーズン2に登場した小児科外科医ヴィックを演じる。LAの大病院の小児科医長に昇進し、インスタント家族(ヘレン、トレヴァー、ステイシー)を連れて、故郷に錦を飾る。両親が払った犠牲に応えて、従順な息子役を演じて来たが、自分のために生きられなかったことを後悔している。


この秀作で同情や感情移入できないのは、ノア独りです。何故だろう?とシーズン1からずっと不思議に思っていましたが、シーズン2後半で「浮気男は偉大な男であり得るか?のジレンマに陥っている」と当時のセラピストに告白して、ノアの正体見たり!謎が解けました。更に、ノアの成長がいつ、何故止まったかが明らかになったのはシーズン3でした。人間は、如何に些細な事でも深く傷ついた出来事やトラウマを機に、成長が止まってしまうと言われています。母親の死に手を貸した少年は、以来大人になれないのです。

アリソンは、ガブリエルを溺死させた苦い体験を活かして、同様の惨事や家庭内暴力に甘んじる女性の相談に乗るピアカウンセラーとして働いています。被害者意識は相変わらずで、今シーズンはPTSD、アルコール/薬物依存症を抱えた退役軍人カウンセラーのベン(ラモン・ロドリゲス)と図らずも同じ過ちを繰り返してしまいます。同じ事を繰り返した上で異なった結果を期待するのは、狂気の沙汰です。そして、遂にアリソンに究極のツケが回って来ます。


シーズン4のアリソンの恋人ベンを演じるラモン・ロドリゲス。妻も子もいることを隠して不倫に走るが、アリソンに別れを切り出されて、キレまくった挙句の果てに....

コールのみが、自分探しの旅に出て、アリソンを忘れられないまま、ルイサ(カタリナ・サンディノ・モレノ)と結婚してしまった間違いに気がつきます。アリソンと縒りを戻そうとカリフォルニアから戻ったコールを待ち受けていたのは….


カタリナ・サンディノ・モレノは、不法移民で常にビクビクしているルイサ役。コールと結婚したものの、ジョニー(6歳)がアリソンとの腐れ縁だと判明。自分かアリソンか?選択を求めて、追い詰められたコールは自分探しの旅に出る。意外な結果が待っている。

子供がいると離婚は複雑を極めます。子供優先で何もかもが回って行くべきで、親は悲嘆に暮れている時間も、まして自分探しや癒しの旅に出る余裕もありません。ヘレンは、セラピストに今の気持ちをスキャンするように何度も促されますが、癒しや悟りなど考えたこともありません。ノアを責めることに必死で、離婚に至ってしまった自分を先ず許さなければ、ヴィックとの第二の人生に踏み出せないことに気づいていません。それが証拠に、過去は断ち切れるものと信じており、ヴィックとの結婚にどのような心の傷や痛みを持ち込んだかなど考えようともしません。人間は誰でも育った環境と親の行動をお手本にして成長します。絶対に親のようにならない!と固く誓って大人になったのに、気が付いてみたら、親と同じ事をしていて、ギョッとした事はありませんか?心痛に直面して、痛みの処理を学び、恋愛や結婚に引きずり込む自らのお荷物の中味を熟知しなければ、「アフェア」の主人公キャラ4人のように、過去を引き摺ったまま、何度も何度も同じ事を繰り返す運命にあります。

シーズン3最終話で、「パパは親の過ちから、ママはママの親から学んだ。ホイットニーは、パパとママの過ちから学ぶんだ。いつか、誰かが完璧な子供時代を過ごせるようになるまで」とノアが長女に諭したシーンを覚えておられるでしょうか?マジですか?!時既に遅しですよ。ホイットニー以下、ソロウェイ弟妹は深く傷ついています。誰かが、どこかで、もう十分!と傷つけ合いのサイクルを断ち切らない限り、最早手遅れです。完璧な子供時代?そんなこと有り得ません。完璧な親がいないからです。楽観主義と言えば聞こえは良いかも知れませんが、大人はこんな馬鹿げた発言はしません。時が心の傷を癒してくれるな~んて思ってませんか?自分を見つめ直して、心の傷を癒すため並々ならぬ努力をして、大人にならない限り、何も変わりません。

シーズン4開始直前、クリエイターのサラ・トリームは、「これが最後のシーズンになるかも知れない」的発言をあちこちでしていました。その観点から観ると、シーズン4の最終回には、ヘレンとノアが初めて現実逃避に「利用した」ヴィックとアリソンへの仕打ちを反省し、不倫以来初めてお互いを理解し、更に共感するシーンが書き込まれていました。これで完となっても良いように、予防線を張っていたように見受けます。但し、ヘレンが薄笑いを浮かべて夕日を眺めている最終シーンは不可解そのものです。あの薄笑いは何だったのでしょう?ヴィックが漸く間違いを認めたからでしょうか?それとも、妻としての重責は果たしたので、後は野となれ山となれ!の肩の荷が下りた開放感の表現ともとれます。トリームの意図が読めなかったので、元々5シーズンで企画していたこの秀作の最終シーズンに大いに期待しています。