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LA直送!海外ドラマやじうまレポート詳細

Vol. 11 ドラマ界、ジャッジの時! 今シーズンのニューカマーを総括する!

2005年6月6日
アメリカのテレビっ子にとって、ちょっぴりメランコリーな季節がやってきた。6~9月は、ドラマが小休止する時期だからだ。そしてそれは同時に、各シーズンにおける新ドラマの成績が明確になる“審判の時”でもある! 栄えしドラマあれば、志半ばで倒れた(打ち切られた)ドラマあり……。そこで今回は、昨年秋からスタートした新ドラマたちの悲喜こもごもをお伝えしたいと思う。

誰が予期した、このヒット!? 『デスペレイト・ハウスワイブズ』
今期の新顔ドラマ勝ち組一番手は、なんと言っても『Desperate Housewives』!! シーズンを通してコンスタントに視聴者数ベスト5に食い込み、今や『CSI』と並び、社会現象を巻き起こすほどの人気ドラマとなっている。 

正直、シーズン開始直前には「郊外に住むおばさんたちの痴話話なんて、誰が見たがるのかね」という冷笑にも似た評価もあったが、いざ蓋を開けてみれば、一見ハイソな主婦たちのドロドロ愛憎劇が瞬く間に視聴者の心を捉えて一大ブーム到来!! 人気が追い風になってかはたまた規定の路線だったのか、ストーリーも回を追うごとにエスカレート!!

人死にあり~の、不義の子あり~の、犯罪あり~の……と「火サスにソープオペラを足して、割らずに2乗!」というような趣になっている。次のシーズンから果たしてどのような展開になるのか(脚本家やディレクターたちがどのように収集するのか)、興味津々である。

もちろん、主要キャラクターである5人の妻を演じる女優たちの人気も大変なもので、テレビで彼女たちの姿を見ない日は無いと言っても過言ではないくらい。彼女たちのファッションやライフスタイルも世代を問わず女性たちの憧れの的で、ファッション誌や芸能誌でも必ず大きくフューチャーされている。

そして、この『デス・ハウ』現象のクライマックスを飾ったのが、全米で最も売れている男性誌『MAXIM』恒例の企画「HOT100(美女100人をランキングで発表)」における、エヴァ・ロンゴリアの1位ゲット! エヴァは、ドラマ内では「元モデルの超セクシー主婦。高級なスポーツカーを乗り回し、若い庭師と不倫する」という背徳女王なのだが、その不必要なまでのフェロモンが高く評価されての1位選出となった。

ちなみに彼女、昨年度の同企画では91位だったのだから、いかにドラマの影響が大きいかがうかがい知れようというもの。

LAはドラマ不発のトシ!?
LAに住む者として非常に不本意な話なのだが、正直、LAを舞台にした2大ドラマは、喘いでいる。というか、片方に関しては完全に沈没してしまっている。

今シーズンからNBCで始まった『ジョーイ』と『LAX』は、いずれもLAという街の特性を色濃く打ち出したドラマだ。

『ジョーイ』は、ご存知人気ドラマ『フレンズ』のキャラクター、ジョーイを主人以降に据えたスピンオフ。俳優のジョーイが、キャリアアップのために訪れたLAで孤軍奮闘する模様を描いたシット・コムである。

こちらも放送開始前から「果たしてジョーイは、仲間の助けなしでやっていけるのか?」という見出しが芸能誌などに大量に掲載され、やや懐疑的な声が多く聞かれた。そして結果は……初回放送は『フレンズ』ファンの期待もあってかなかなかの高視聴率を獲得したが、以降、数字は右肩下がり。シーズンを終えて、視聴者数のアベレージは『フレンズ』の半分以下という結果となった。もちろんシーズン2の放送は決まっているが、何か大掛かりなテコ入れがない限り、巻き返しは厳しそうな状況である。

ロサンゼルス国際空港の通称をそのままタイトルにした『LAX』は、「世界で4番目に混んでいる空港」であるLAXを舞台に繰り広げられる、空港職員による人間ドラマを丁寧に描いた作品。空港で起きる大小さまざまな事件や職員の内部事情など、リアルな描写には定評があった……が、過激な犯罪ドラマが群雄割拠し視聴者が刺激に飢えているこの時世、残念ながら“リアル”なんてものは、唐辛子の入っていないキムチみたいなもの。濃い口嗜好のアメリカ人のお口には合わなかったと見え、あえなく13週での打ち切りと相なった。

という訳で、LAにとって今期はドラマ不発の年。これが「ドラマ不発の“都市”」にならないためにも、LA住民としては是非とも『ジョーイ』の巻き返しに期待したいところだ。