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Vol.22 ついにマシュー・ペリーがテレビドラマに本格復帰! 気になるドラマの内容、そして前評判は!?

2006年7月18日
落ち込みの激しいNBC&『フレンズ』キャスト。
果たしてマシューは、この窮地を救えるか!?

なんだかいつも、NBCのことばかり書いている気がするのだけれど、今回もまたNBCネタです。

なぜNBCか? だってこのブロードキャストは、つい2年前までプライムタイムでもニュース番組でもレイトナイトでも、あらゆる部門で視聴者数1位だったのに、その後一挙に4位に急降下(史上初のことだそうです)。現在は2年連続4位という特筆すべき落ちぶれっぷりなのである。やっぱり、気になってしまう。

結局、この急降下がなぜ起きてしまったのかというと……もちろんいろいろ細かい要因はあり、複合的な理由からなのだろうけれど、表層的にはやはり大人気ドラマ『フレンズ』の終了が大きい。何しろNBCの失墜は、『フレンズ』の放送終了となった2004年から始まった訳だから。 

“落ちぶれっぷり”ということで言ってしまうと、元『フレンズ』のキャストたちも、けっこうなものである。まず、最もファンの期待と不安を集めていたスピン・オフ『ジョーイ』だが、これはファンの“不安”の方が大的中したカタチとなり、今年の春であえなくキャンセル。また、リサ・クードロー(フィービー役)が主演/ライティング/ディレクターも勤めた『Come Back!』であるが、こちらも放送からわずか13週で、成績不振のためキャンセル。カム・バックどころか、スタートを切ることすらできなかったのだった。ジェニファー・アニストンの公私にわたる浮き沈みの激しさは今までも何度か書いてきたとおりで(先月のコラムを参照ください)、ママになり半休業状態のコトニー・コックス(モニカ役)が最もうまく立ち回った感がありありだったりする。

公私にわたって波乱続きだったマシュー。
果たして新ドラマで、完全復帰なるか!?

そして『フレンズ』終了後、最も“沈み”の激しかったのが、マシュー・ペリー(チャンドラー役)だろう。かねてから噂されているドラッグ問題も度々ささやかれ、事実昨年春には、呼吸不全でロサンゼルスの病院に運び込まれたこともあった。長年付き合っていたガールフレンドとも別れ、仕事をする意欲も完全に喪失。あまりに私生活が荒みきったマシューを気遣ったコトニーが、マシューを一時家に住ませていた……という逸話も報道されたほどだ。

その後は、ドラマのゲスト出演や映画出演の話などもあり、少しずつ社会復帰を果たしはじめたマシュー。その彼が、ついに本格的にテレビ界に戻ってきた! この秋からNBCで放送開始される、シリーズドラマの主演出演が決定。ドラマの名前は『Studio 60 on the Sunset strip』。ドラマそのものも、テレビ界のお話である。

ドラマの内容は、やや自虐的。
「人気コメディ番組収録中にとんでもない不祥事がおきたため、番組サイドはスタッフを一新しなくてはならなくなった。そこで召集されたのが、二人の優秀なスクリプト・ライター。ただしこの二人、ドラッグ問題を抱えていたり、あるいは番組スタッフたちと過去にひと悶着あったりと、一筋縄ではいかない経歴の持ち主。さまざまな問題を内包し、また皆それぞれ異なる思惑を抱いたまま、番組建て直しのための波乱含みの旅は始まる――という、まるでNBCの現状をなぞったかのようなプロットなのだ。そしてマシューが演じるのは、もちろん“一筋縄ではいかないライター”のうちの一人。

前評判は、まずは上々。いずれは『CSI』の対抗馬に!?
ドラマの雰囲気は、まだ全容は見えていないので何とも言えないが、トレーラー等を見る限りでは、小粋な会話と洒落たカメラアングルなどを駆使した、コメディというよりどちらかというと大人向けのスタイリッシュなドラマ……という印象。もちろん、ちょっとシニカルなジョークを独特のテンポで飛ばす“マシュー節”は健在だ。評論家たちのレビューを見る限り、評判は上々のようで、とりあえずは一安心? 

気になる放送日時の方だが、当初は木曜日の9時(アメリカで木曜の9時と言えば、日本でいうところの“月9”的な、ヒットドラマ枠。かつて『フレンズ』も、この枠で放送されていた)と発表されたのだが、最近になって月曜10時に変更。『CSI』などの人気裏番組とのバッティングを回避したかたちとなったが、放送開始後の成績次第では、改めて『CSI』に勝負を挑む可能性もある。

かつてマシューは、出演するドラマがことごとく13週で打ち切られたため、ジョージ・クルーニーらともども“13週ボーイ”などと呼ばれていたそうだ。『フレンズ』での大成功があったものの、今後のキャリアを考えたとき、このドラマの成否は大きな鍵になるはず。ドラマでは“窮地のテレビ番組を救う使命を課されたライター”という役どころのマシューだが、現実でもNBCを、そして自分自身をも救うという使命を担い、新ドラマに挑む。