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Vol.25 新ヒットドラマ『Heroes』。注目は、異色の経歴を持つ日本人俳優!

2006年11月13日
Heroes(ヒーローズ)なんていう名前を耳にすると、多くの日本人は格闘技のイベントか何かを連想するかもしれないが、今年9月から始まったこのヒネリなしのタイトルのドラマ、なかなか好評なのである。 

『Heroes』はその名の通り、ある日突如として特殊能力を身につけた複数名のヒーローたちが一つどころに集い、巨悪から世界を守る――という、昨今では洋の東西を問わずあまりお目にかかれぬ、勧善懲悪モノ。放送から5回(10月30日現在)を数えた現時点では、主要登場人物たちはまだ覚醒した自らの力を自覚した段階。ある者は自らの使命を悟り、またある者は戸惑いを隠せぬ様子だが、いずれの者も運命に手招きされるかのように災厄に巻き込まれ、そしてお互いの存在を知るようになる。

彼らが力に目覚めた理由や倒すべき悪の正体など多くの要素は依然ナゾに包まれたままだが、それらのナゾが解明されていく過程も、大きなカタルシスのひとつ。ファンたちは掲示板上等で自らの推理や持論を展開し、ドラマを見ては当たった外れたと一喜一憂しているような按配だ。

日本からもヒーロー見参! 時空を自由に捻じ曲げるスーパーパワーの持ち主
さて、実はこのドラマに、日本人の俳優さんが出演している。それも、チョイ役ではない。ドラマのメインを張る特殊能力者の一人であり、その中でもかなり重要な役どころを務めそうな気配だ。

日本人俳優が演じるヒロ・ナカムラは、毎朝満員電車に揺られて会社に通い、会社に着いたらラジオ体操に汗を流し、仕事後はカラオケ・バーで同僚と一杯引っ掛けるような、どこにでもいる典型的な日本のサラリーマン(ホンマかいな!?)。ただ彼がちょっと他の人と違ったのは、彼は超が付くアニメ・マニアだという点。オフィスの机には、多種多様なアニメのフィギュアが所狭しと並べられている。そしてもう一つヒロが変わっているのは、なんと彼には、時空を捻じ曲げる能力があること……。その能力のおかげで、彼は時間を止めたりテレポートしたり、さらには過去と未来を自由に行き来することもできてしまうのだ! 

他の能力者が、単に「飛べる」とか「人の考えが解る」のであるのに比べると、彼の能力は汎用性が高いうえに実用的であり、恐らくは物語のカギを握る重要人物になるだろうと予想されている。

そんな、今もっともアメリカで顔を知られているであろう日本人の俳優の名は、マシ・オカ。名前だけ見ると日系アメリカ人のようだが、生まれは東京で、6歳のとき両親の仕事の都合でアメリカに渡ってきたという純粋な日本人である。

このマシ・オカさん、俳優としてもかなり変わった経歴の持ち主だ。大学ではコンピュータ・サイエンスを専攻し、副専攻で演劇を勉強。大学卒業後は、ジョージ・ルーカスが設立した“Industrial Light & Magic(ILM)”社にプログラマーとして入社。以降、『スターウォーズ』シリーズや『ターミネーター3』、『War of the World』など、数多くの著名映画の制作に携わってきた。

かくのごとくプログラマーとして活躍する一方で役者としての道も追い求めていたオカさんは、ロサンゼルスの舞台で即興劇の経験を積み、テレビドラマや映画にも出演を果たすなど、地道に俳優としてのキャリアも積み重ねて来たのだった。そして今回、「日本語も英語もネイティブとして操れる俳優」ということで、『Heroes』のメインキャラクターに大抜擢されたのだ。

プログラマーと俳優、二束のわらじを履きこなすスーパーマン! 行く行くは、プロデューサーになりたい!?
そんな訳でオカさんは、ドラマの中では日本語と英語、両方を操りながら演技している。日本語のときはかなりの高音で、テンパッた話し方だ。ちょっとオタクっぽくて、イイ感じ。それが英語バージョン=ヒーローモードになると、とたんに低くて渋い声になる。見事なのは、ヒロが初めてニューヨークにやってきたときに「ハロー! ニューヨーク!」と、完璧なまでのカタカナ英語で叫んでいた点だ。だから正しくはオカさんは、ドラマの中で日本語、英語、そしてカタカナ英語の3言語を話していることになる。さらに同ドラマのオフィシャルHPでは、キャラクターのヒロ・ナカムラが書いているという設定で、ブログまで書いているのだ。なんとも、芸達者。かてて加えて、次のシーズンあたりではエピソードのプロデュースもしてみたいと言う。

多くのアニメや漫画を見て幼少期を過ごし、ビジュアルエフェクトのプログラマーとして数々の映画に携わり、さらに舞台で役者としての経験を積みながらシリーズドラマの大役を得るまでに至った、アメリカ育ちの日本人。ドラマの進展ももちろんのこと、ひとつの役職に縛られることなく何事にも意欲的に取り込んでいく、そんなオカさんの今後にも要注目である。