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Vol. 3 9月後半……それはアメリカ芸能界が激震した日々!!

2004年9月30日
9月第3週の週末、LAのパパラッチおよび芸能記者は、かつてない忙しさに見舞われたはずである。ただでさえ全米テレビ界最大のイベント、エミー賞授賞式(9月19日)が開催されるというのに、その前日に、5つ星スキャンダルスターのブリトニー・スピアーズが、電撃的に結婚式を挙げたのだから。

ブリトニーの結婚式に関しては、多くの人が秒読みと踏んでいたにも関わらず、正式な日取りがこれまで明らかにされてこなかった。しかも、式は大方ハワイあたりで開かれるだろうと踏んでいた芸能記者陣にとって、LAのスタジオ・シティは盲点中の盲点。おっとり刀で駆けつけた末に彼らが捉えた、車中のブリトニーとお相手のケビン・フェダラインの映像と衝撃の報は、その夜の内に全米を駆けめぐり、翌日のエミー賞にまで及んだ。

というもの、エミー賞のレポーターたちは会場に集った芸能界の大御所たちに「昨日ブリトニーが結婚したんだ」と水を向け、この件に関するコメントを引き出そうとしていたからだ。多くのセレブたちは「うっそ~! 知らなかったわ~」などと、頭のてっぺんから甲高い声を発し驚きの感情を表出していたが、充実した結婚生活を送るサラ・ジェシカ・パーカーなどは「人生、これからが楽しいところよ!」と余裕たっぷりに発言し、先輩としての懐の深さを誇示。そんな中、眉間に軽くしわを作ったジェニファー・アニストンの、「again!?(またァ)」の一言には、大いに笑った。

ブリトニーが、今年1月に酔った勢いで結婚届を出し、その翌日に離婚届を出すという文字通りの一人相撲を演じた事実を踏まえれば、ジェニファーでなくとも「ホンマかいな!?」と思いたくなってしまう。しかもブリトニー、挙式の後も婚姻届を出していない(9月27日現在)というから、ナニがしたいのか、本当にさっぱり解らん。

ちなみに、ちょっと話が前後してしまうのだが、コメントを残した後ジェニファーは「サヨナラ」と言ってその場を去っていった。そう! 今アメリカで、日本語はCOOLなのである。 

エミー賞の主役は女性! 美しくも苛烈なファッションバトルが繰り広げられる!!
そんな女性陣の多種多様悲喜こもごもの感情が交錯するエミー賞だが、事実、この日の主役は女優の方々。もっと言うなら、彼女たちのファッション。やはりこのような晴れの舞台は、世間の注目度および世間への影響力は甚大。それも古今東西のツワモノが一堂に会する場なのだから、「(他の人に)負けてなるものか!」という競争意識はあって当たり前。皆、自尊心と羞恥心のせめぎ合いの中で、最も目立つであろう乾坤一擲の勝負衣装を選び取ってくる訳である。そしてそんな女優陣の想いに応えるべく、アメリカ版ピーコたちも腕によりを掛けて(?)批評に精を出すのである。

ということで、魚の目・鷹の目でアメリカファッション批評家たちが品定めをする訳だが、その中でも特にハイ・アベレージを獲得していたのが、みごとゲスト女優賞にも輝いたシャロン・ストーン。御年46とは思えぬ妖艶な肢体を、隠すところは隠し、でも要所要所を露出したドレスを完璧に着こなすあたり(全体の露出率は40%くらい)、自分の魅力をよく心得ているといった感じ。なんでも彼女、『キャット・ウーマン』出演の際に、ハル・ベリーの完璧なプロモーションに触発され肉体改造に取り組んだというから、やはり対抗意識こそが美探究の最大の推進力なのだろうか……。

既婚の女優たちにとっては、エスコートしてくれる旦那との相性も最重要項目のひとつ。例えばジェニファー・アニストンは、ギリシャの女神を連想させるシャネルのドレスに身を包み、狙い通り「(夫の)ブラット・ピットが主演した映画『TROY』の中から抜け出てきたよう」との評価を得ることに成功。反対に、奥さんのドレスのせいでやや割を食った感があるのが、サラ・ジェシカ・パーカーの夫のマシュー・ブロデリック。というのも、サラが当日着ていた衣装はマシューのセレクトとのことだったが、この衣装がイマイチ華やかさに掛けたとのことで(そして露出度が低めだったので)、「マシューのチョイスが悪い!!」というような風潮になってしまったのだ。ご愁傷さまです。

美しく、自立した女性の生き方とは……?
さて、かくのごとく「女たちの熱き戦い」が繰り広げられたエミー賞授賞式だが、その数日後、これまた衝撃的なニュースが芸能界を震撼させた。エミー賞で助演女優賞を獲得したシンシア・ニクソンが、熱愛中だというではないか。しかもそのお相手は、女性だというではないか!! シンシアと言えば、昨年、15年間つれそったボーイフレンドと破局したばかり。件のガール・フレンドと付き合い始めたのはその直後からというから、かれこれ1年以上つきあっていることになる。なんでもエミー賞授賞式の夜は、彼女と喜びを分かち合ったのだとか……。

このスクープを掲載したニューヨーク・デイリーニュースよれば、シンシアとガール・フレンドは同棲しておらず、そして彼女は芸能関係者ではないとのこと。そして真偽を確かめようとした同誌の質問に対し、シンシアは「わたしのプライベートは、わたし個人のもの。でもひとつ言えるのは、わたしは今ハッピーだということよ」と答えたという。

結婚ネタでパパラッチを手玉に取り、世間の耳目を一身に集めるブリトニー。夫との連係プレイで、相乗効果を生もうとするサラやジェニファー。そして……ジェンダーなどという閉塞した既成概念に囚われることなく、個としての幸せを追求するシンシア。

全米テレビ界で最も熱い季節の話題をさらったのは、やはり女性たちであった。そしてエミー賞を挟んでの数日間で、アメリカのトップを走る女性たちは、様々な“女性としての価値観”や“ライフスタイル”を、世間に提示してみせたのである。