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Vol.34 米国最大のアニメイベント『コミック・コン』に、ヒーローたちが一挙終結! 明かされた重大発表とは!?

2007年8月27日
それぞれ異なるスーパーパワーを有したヒーローたちが終結し、巨大なる悪に立ち向かう――という、「マーベル・ヒーローズ」のようないわゆるアメコミ的プロットを土台にしつつ、日本アニメに対するオマージュをスパイスのように利かすことによって、アニメ&コミックファンを大量に取り込んだ大人気ドラマ「Heroes」。今より1年前には、まだ放送が始まっていないにも関わらず、サンディエゴで行われた『コミック・コン』というアニメイベントに参加し、そこでプロモーション活動を行っていたことからも、制作者サイドの狙いが伺えるというもの。  

それから、一年後。見事、全米でも1~2を争うトップ人気ドラマに成長した「Heroes」は、文字通り一躍ヒーローとなった出演者陣及びプロデューサーたちを引き連れて、『コミック・コン』に凱旋帰還! 世界で一番最初に同ドラマのファンとなってくれたアニメファンたちと、パネルディスカッションで交流を深めたのだった。

そこで今回は、そのパネルディスカッションの中で明らかになったマル秘話や最新情報などを、ネタバレしない範囲でお伝えします!

ファンの歓声トップ3は、マイロ・ヴィンティミリア、ザッカリー・クイント、そしてマシ・オカ!
まず、司会者に促されメインキャストたちが次々とステージに上がると、彼・彼女らヒーローをひと目見ようと集まったファンたちの間から割れんばかりの嬌声が! 会場は大いに盛り上がったが、そこはどうしても、出演者の人気と比例するカタチで、歓声の大小が変わってくるというもの。

そして、ワタクシの主観も多少含めて、その人気バロメータを計測したところ……ナンバー1はやはり、ドラマの主役とも言えるピーター・ペトレリを演じる、マイロ・ヴィンティミリア。「Heroes」でのブレークが契機になったか、映画『ロッキー・バルモア』にロッキーの息子役で出演するなど、知名度&露出度はここ一年で急激にアップした。「Heroes」では、高い社会的地位を有し、それ故にやや狡猾で打算的な部分もある兄への愛情とコンプレックスの狭間で苦悩するセンシティブな青年役。ピュアながらも陰りのある立ち振る舞いで世の女性たちの母性本能をくすぐりまくったが、その雰囲気は、ロッキーの息子役でもまるっきりそのまま。今や「偉大なる肉親を尊敬しつつも、その巨大な影から逃れようともがく青年」を演じさせたら、彼の右に出る者はいないという境地に達しつつある。今回のコミック・コンでも、彼がはにかんだ笑顔を見せるたびに、女性陣はキャーキャーと黄色い声を上げて親愛の情を示しまくった。

そのマイロに次ぐ人気を誇ったのが我ら日本人の誇り(?)、マシ・オカ。ポッチャリ系の体型に縁ナシメガネという、かなり日本人のステレオタイプに忠実な外見のマシ・オカだが、どうやら「異性」というよりは「ペット」的なポジションで人気を確保した模様。本人もテレビのトークショーで、「街を歩いていても、最近はすぐに声をかけられる。すっごい美人から、『わたし、アナタをペットとしてケージに入れて飼いたいの』と言われた」と言っていたくらいだから……。

そして、マシ・オカと比肩しうる歓声を一身に浴びたのが、悪の魅力と悲哀を存分に演じきった、サイラー役のザッカリー・クイント。ドラマ内でもよく見せた、やや猟奇的な笑顔を浮かべるたびに、これまた女性陣は大騒ぎなのだった。  

パネルディスカッションでは、ドラマ内でそのサイラーの周囲に、しばしばゴキブリが象徴的に登場することに関する質問が飛び出した。それに対しディレクターは、「ドラマ内で、『ゴキブリは核爆弾の被害から唯一生き延びた生物だ』という会話がなされたことがあった。それ故に、ゴキブリは進化や生き残りのシンボルとしてドラマ内に登場させている」と解答。これからドラマを見る日本の皆さんも、そのあたりに注意して見てみると、制作者の意図が汲み取れて面白いかもしれない。

“オタクのカリスマ”ライターが、「Heroes」スタッフに参加!?
そして今回のパネル・ディスカッション最大のサプライズは、シーズン2に向けて、「Heroes:Origins」というスピンオフ・エピソードを制作するということ。そして同時に、その制作を行うことになった某著名ライターを発表したのだった。  

はたしてその人物とは……そう! かのオタクの希望の星、ケヴィン・スミス氏だったのだ!   

…と盛り上がってみたところで、彼のことをご存知ない方も決して少なくないことでしょう。ケヴィンは、シナリオライター/コミックスライター/映画監督/映画プロデューサーなどなど、やたら肩書きに“/”が付く人物なのだが、主には映画『クラークス』シリーズの生みの親、あるいは『グッド・ウィル・ハンティング』を初めとする複数の映画のプロデューサーとして広く知られている。そして同時に、マーベルコミックシリーズのライターも勤めたり、あるいは『スターウォーズ』オタクを公言するなど、コミックやアニメの世界への造詣も底はかとなく深い人物なのだ。当然、『コミック・コン』に集ったファンたちにとっては、ある種カリスマ的存在。そんな訳なので、彼がステージに登場したとき、会場の熱は最高潮に達したくらいだった。

といっても、実はケビン自身は同ドラマに対する興味はそれほど深くなかったらしく、「声をかけられたとき、「Heroes」というのは、日本人のゲイのドラマかと思っていた」と言うくらい(もっとも、これはジョークだろうけれど…)。だがその後、iTunesで全エピソードをダウンロードして2日間かけて見終え、その上で引き受けることを承諾したのだという。SFやヒーロー物を何よりも愛し、その魅力とツボを主観的にも客観的にも知悉しているケヴィンだからこそ、従来の「Heroes」の流れを踏襲しつつも、革新的な視座を加えて、同作品を新たな領域へと導いてくれることだろう。