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Vol.8 オスカーのレッドカーペットで、新ドラマに挑む“あの人”を発見!!

2005年3月4日
寝ても覚めても終わっても……アメリカTVは、今やオスカー一色!!
普段は、ドラマやトークショウ、それに裁判(裁判番組は、ほっーーんとうにアメリカでは人気がある。『court TV』(裁判TV)なんていう専門チャンネルもあるくらいだから。いつかそのことについても書きたいと思います)などに時間を割いているアメリカTV界ではあるが、2月末から3月頭にかけのこの時期ばかりは、どこを見ても「オスカー、オスカー、オスカー」!! 

オスカー開催前には「誰が、そしてどの映画が受賞するか??」から始まり、会場で用意されるディナーメニュー、果ては「誰が最も酷いドレスを着てくるか?」までを大予想。「オスカーは、世界最大の映画祭であると同時に、世界一豪華な顔ぶれのファッションショーでもある」というレポーターの言葉を借りるまでもなく、会場のコダック・シアター内以上に、レッドカーペットが関心の的だったりする。

『フルハウス』スターが、レッド・カーペットに出現!!

そんな注目の来客者たちの大半は映画界の大御所だが、その中にジョン・ステイモスの姿を見つけたときは、思わず「オッ」と声を挙げてしまった! そう、『フルハウス』のジェシー役で、日本でも人気を博した(そして実際のドラマの中でも、ミュージシャンとして日本でブレイクした)、あのジョンである。

ジョン・ステイモスは、3月より始まるABCの新ドラマ『Jake in Progress』に主役として出演するので、その宣伝もあって会場に来ていた模様。このドラマは、NYに住むハンサムでグッド・ドレッサーのセレブ専門エージェントが、仕事に・私生活に奔走する姿をユーモラスに描いたコメディ。もちろん、その“ハンサムでグッド・ドレッサーのエージェント”ジェークを演じるのは、ジョンである。

「大手代理店で働くジェークは、一癖もふた癖もある依頼人たちに振り回され、さらに上司にも不条理な仕事を押し付けられテンテコまいする日々。私生活もプライベートもあったもんじゃなく、『こんなことじゃイカン! 運命の女性を見つけるんだ!!』と一念発起するも、やっぱりなかなか上手くいかず……」

と、そんな内容になるようだ(まだ公開前なので、わたしも見てない)。ジョンにとり、シリーズドラマの出演は『Thieves』(ABC)以来4年ぶり。そしてその『Thieves』がわずか1クールで終わったため、今回は雪辱にも燃えているはず。なんかいっつも、「二枚目なんだけれど、うだつが上がらない、あるいはトラブルに巻き込まれやすい男」みたいな役どころばかり回ってくる彼だが、実際の役者キャリアにおいても、そんなキャラになりつつある。今作は是非ともビッグヒットとなって、魔のシンクロから脱却ほしいところだ。

ラジー賞登場で、株を上げたハル・ベリー
さて、ジョン・ステイモスも含め、ここ1週間はオスカー絡みで多くのセレブが話題にあがった訳だが、その中で今回ダントツに輝いていたのが、ハル・ベリーだ。

オスカーではプレゼンテーターとして舞台に上り「この77回目オスカーで、最初のプレゼンテーターを務めることを光栄に思います」と、紋切り型の挨拶で大役を無難こなした彼女だが、その前日には、ラズベリー賞(ラジー賞。その年の“最悪映画”を決める裏オスカー)にて“ワースト・アクトレス”の栄冠に輝いていたのだった! 

ま、賞そのものは年に必ず誰か一人は取るものだが、彼女が素晴らしかったのは、ちゃんと会場にトロフィーを取りに現われ、受賞コメントまで残したこと。この授賞式に俳優や監督本人が登場することは稀で、マネージャーなどが代理で受け取るのが通例。それだけに、ハル・ベリーの英断と勇士は多くのB級映画ファンの心を打った。そしてラジー賞のトロフィーを抱え、「こんな“ピーッ”なトロフィーを取るために、2年間も無駄にしたなんて信じられないわ!! この“ピー”な映画に巻き込んでくれた映画会社、そしてギャラだけで出演を決めてくれたマネージャーに感謝してます」と感極まりながらスピーチをカマし、3年前のオスカーで主演女優賞を取ったときを自らパロディーにして会場の笑いをかっさらったのだから、まさに天晴れの一言。

どうせ賞を取っちゃったなら、これは思いっきり笑い飛ばさなきゃ損! ユーモア溢れる態度で、マイナスを見事にプラスに転じてしまった彼女のスマートさを感じずにはいられなかった。また彼女は3月上旬に放送される『Their Eyes Were Watching God』というテレビドラマにも、主役として登場する予定。彼女ほほどのビッグスターが、テレビの一話ものドラマに出演するのは、これまたかなり稀なことだ。

なお、そのハル・ベリーが3年前に最優秀主演女優賞を受賞したときは、最優秀主演男優賞をデンゼル・ワシントンが獲得し、オスカー史上初めて、アフリカン・アメリカンが主要2部門を獲得したことが話題になった。奇しくも今回のオスカーでは、ジェイミー・フォックス(最優秀主演男優賞)とモーガン・フリーマン(最優秀助演男優賞)が、やはりブラック・アメリカンとして始めてこの2部門を同時受賞した。たぶん、ラジー賞とオスカーの主演俳優部門をブラック・アメリカンが同時受賞したのも、史上初の快挙だろう。「不思議な縁もあるもんだな~」と、ちょっぴりシミジミしてしまった。