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Vol.15 シーズン12!いまだ人気衰えず!モンスター・ドラマ『ER』

2005年11月1日
1994年9月19日にパイロット版が放送され、その3日後には木曜午後10時という高視聴率番組しか放送されない枠でのレギュラー放送が開始された『ER 緊急救命室』。視聴率を稼げなくなった時点で、即番組の打ち切りが決定してしまうシビアなアメリカのTVドラマ界において、現在に至るまで木曜午後10時~11時という枠を保守しているモンスター・ドラマ『ER』について、これからご紹介していきます。

20年間暖められていた『ER』の脚本
『ER』は作家マイケル・クライアントが、米国ハーバード大学メディカルスクールで学生をしていた頃の経験を元に執筆した脚本です。実は、この脚本が作成されたのは1974年だったのですが、映像化するには難しいと制作会社や局が二を足を踏んだため、長い間お蔵入りしてしまっていたのでした。

二の足をふまれたのには理由があります。『ER』のドラマ構成が、それまでなかった奇抜で斬新なものだったからです。通常、ドラマにはメインとなるストーリーがあるものですが『ER』ではメインと言えるストーリーはなく、いくつものサイドストーリーで構成されています。そのため出演するキャストも多く、シーンを撮影する手間ひまが非常にかかってしまうのです。おまけに、一般の視聴者にとっては馴染みの薄い専門的な医療用語がずらずらと並べられ、ドラマというよりもドキュメンタリー番組に近い感じなのも局としては不安材料だったのでしょう。

それでもストーリーとしては高い評価を得、興味を示した局や制作会社も多かったのですが、映像化しやすいように書き変えて欲しいという条件つきでの購入と言われたマイケル・クライアントは、これを拒否。それほど彼はこの脚本に絶対的な自信を持っていたのです。今から30年も前にこのような形のドラマ構成を考え出すというのは、さすがですよね。

ハリウッドの天才監督によって映像化が実現した『ER』
『ER』の脚本が執筆され15年が経った1989年、マイケル・クライアントが友人である監督のスティーブン・スピルバーグと話しをしていた時のこと。スピルバーグが緊急救命室を舞台にした映画を作りたいと語り、クライアントは『ER』という脚本の存在を話しました。興味を示したスピルバーグは『ER』の脚本を即購入したのですが、映画化するにあたってクライアントと打ち合わせをしていた際、クライアントが恐竜と遺伝子を題材とした話を執筆していると知ると『ER』そっちのけで、新作の方に強い興味を示してしまったのです。

この恐竜と遺伝子を題材とした作品は、皆さんご存知の『ジュラシック・パーク』。その後も、たて続けに『シンドラーのリスト』などの大作を監督したスピルバーグは『ER』の脚本をすっかり忘れてしまい、脚本は再びお蔵入りしてしまったのです。

1993年末、やっと『ER』の映像化の話が持ち上がるのですが、映画ではなくTVドラマ・シリーズとしての企画として進められます。大手ワーナー・ブラザーズ・テレビジョンに持ち込まれたこの企画は、クライアントが所有するプロダクションと、スピルバーグ監督率いるアンブリン・テレビジョンの協力の元、NBCでパイロット版が放送されることになったのでした。

より現実的なリアルなドラマを目指して
制作総指揮者として選ばれたジョン・ウェルズは1988年から1991年にかけて放送された『チャイナ・ビーチ』で3シーズンにわたり脚本と制作を担当し、大きな評価を得ています。この『チャイナ・ビーチ』というドラマはベトナム戦争が題材となっており、戦闘シーンよりも戦場に送られた兵士、医師や看護士たちのストレスの多い日常を描いたもので、現実的で真実を描いたヒューマンドラマとして高い評価を得たのです。

ジョン・ウェルズは、『チャイナ・ビーチ』のように、現実的でリアルなドラマを制作したいという信念を持っており、アンブリン・テレビジョンのスタッフから話を持ちかけられたときも喜んで参加することを決心しました。また、独特な撮影方法の採用も、『ER』が大成功を収めることになった要因だとも言えるでしょう。

ビスタ病院がカウンティー病院に
パイロット版を作成するにあたり一流の制作チームが結成され、ロサンゼルス郊外にある廃屋となっていたビスタ病院を、本物顔負けの緊急救命室に作り変え撮影開始スタンバイとなった『ER』。

ドラマの成功を大きく左右する俳優のキャスティングですが、比較的スムーズに決定したと言われています。

最初に決定したキャストはダグ・ロス役を演じるジョージ・クルーニーでした。

<次回は『ER』で大ブレイクしたジョージ・クルーニーです!お楽しみに>