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海外ドラマ・スター True Story~海ドラ・セレブの人生はドラマティック!~詳細

Vol.30 『ER』ローレンス役のアラン・アルダ

2007年2月13日
『ER 緊急救命室』にはこれまで数多くの大物役者がゲスト出演し、あのエミー賞にもノミネートされています。その中でも、たった5話しか出演しなかったにも関わらず、とても印象に残るガブリエル・ローレンス役を演じたアラン・アルダを今回はご紹介します。

芸名アルダの由来
アランは1957年1月28日俳優ロバート・アルダと元ミス・ニューヨークのジョアン・ブラウンとの間に生まれました。父親は数多くのテレビドラマや映画に出演し活躍していた俳優で、アランが幼い頃シアターを経営しており、若手女優と浮気ばかりしていたため、怒り狂った母親が父親の顔をナイフで切りつけるという事件まで起こしています。

後に両親は離婚し、父親は再婚相手との間に息子をもうけアランは半分血が繋がった20歳年下の弟が出来ました。この弟と父をアランは自身の出世作『M*A*S*H』にゲスト出演させており、多くのイタリアン・アメリカンがそうであるようにアランも家族の絆を大切にしていることを証明したのです。

ちなみに、アランの本名はアルフォンソ・ジョセフ・ダブルッツォ。父親も弟も芸名は~・アルダなのですが、これは一族が必ず最初と最後に付けている名前アルフォンソ(Alphonso)のAL、そしてダブルッツォ(D’Abruzzo)のDAをとり、アルダ(Alda)にしたものなのです。

ポリオにかかり2年間寝たきりに
父親が俳優であることに刺激を受けたアランは、俳優を目指すようになりコンパス・プレイヤーのメンバーになるなどして演技を学ぶようになります。

しかし、アランは7歳の時にポリオにかかってしまい、2年間寝たきりで治療を受けるはめになってしまうのです。しかし、学業を怠ることはなく20歳で地元フォーダム大学を卒業。大学時代はヨーロッパに留学もしており、ローマで舞台に立ったり、父親と共にアムステルダムのテレビドラマに出演したりしていたそうです。卒業後は米陸軍予備役軍に入隊し朝鮮戦争後の韓国で6ヶ月間砲術隊員として派遣されています。

帰国後、まもなく交際していたアーリーンという女性と結婚。190センチ近い長身のアルダに比べ160センチもない彼女は小さく感じられますが、パワフルな女性でアルダとの間にもうけた3人の子供達を育て上げています。ちなみに、この二人は離婚率の高いアメリカにおいて奇跡的ともいえるおしどり夫婦として知られており(敬虔なるカソリック信者ということもありますが)、今でも仲良く散歩する姿がパパラッチされたりしています。

『M*A*S*H』で国民的俳優に
アルダの名が知られるようになったのは、何と言っても名作ドラマ『M*A*S*H』でしょう。

『M*A*S*H』は、1972年から1983年まで放送されていた朝鮮戦場の戦場病院が舞台のシットコム。リチャード・フッカーの小説『M★A★S★H マッシュ』をドラマ化させたもので、ドラマが放送される以前にハリウッド屈指の名監督故ロバート・アルトマンによって映画化され話題を呼んだ作品です。

実は、リチャード・フッカーもロバート・アルトマンもドラマ『M*A*S*H』はコメディ色が強すぎて、一番伝えたい反戦メッセージが伝わらないと非難していたのですが、ドラマの中でも考えさせられる戦争を反対するシーンは多く含まれていました。この『M*A*S*H』で軍医大尉ベンジャミン・フランクリン・ピアスを演じたアルダは国民的俳優となり、また同ドラマの脚本や監督まで勤めるようになり、多彩なる才能が知られるようになったのです。

ちなみに、『M*A*S*H』ではエミー賞主演男優賞に11回ノミネートされ2回受賞、監督賞に8回ノミネートされ1回受賞、脚本賞に4回ノミネートされ1回受賞しています。エミー賞で監督賞、主演男優賞、脚本賞を受賞した者は、現在に至までアラン・アルダただ1人なのです

存在感が抜群の伝説的俳優に
ファミリーパパであることはとても有名で『M*A*S*H』を撮影していた11年もの間、毎週末撮影が行われていたLAから家族の住むニューヨークまで戻っていました。そのため『M*A*S*H』後はペースダウンしていますが、それでも多くの映画やドラマにゲスト出演しています。

『ER 緊急救命室』シーズン6でアルツハイマー病に冒され病院を去るローレンス医師を演じ、弟子も多い一流の医者がアルツハイマーに苦しむ心情を見事に描き2000年度のエミー賞ゲスト男優賞にノミネートされました。

また、『ザ・ホワイトハウス』で2006年共和党大統領候補アーノルド・ヴィニック上院議員を熱演し、見事2006年度エミー賞助演男優賞を受賞しています。

俳優としてのキャリアが長いこともありますが、奥底に隠された真のキャラクターを上手く表現することのできる数少ない役者さんだと思います。今年で71歳になりますが、今後も色々な味のあるキャラクターを演じてほしいものです。

<次回は、『ER』でアビーとぶつかり合いながらも母娘の絆を深めようと努力するマギー役を演じたサリー・フィールドです!お楽しみに!