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Vol.53 「ダイナスティ」冷酷すぎる登場人物のせいで大モメ?

2009年1月28日
ダイナスティは日本語で「王朝」「名門」と略されますが、もともとはヨーロッパやアジアの王家・天皇家を指したものだといわれています。つまり、歴史が比較的浅くロイヤル・ファミリーのいないアメリカにはダイナスティは存在しないわけです。しかし、女性の万国共通の憧れといえば「権力がありリッチで身のこなしもスマートな名門出身の素敵な男性との恋愛」ですよね。つまり「ダイナスティ」という単語に女性はとても弱いわけです。

アメリカで爆発的に売れているハーレクイン文庫は、その心理を見事についていからこそヒットしたのですし、「ゴージャスでドラマチック」なドラマ「ダイナスティ」が世界的に大ヒットしたもの納得できます。

今回も語り継がれる名作「ダイナスティ」を、ご紹介いたします!

ジョン・フォーサイトがキャスト入り
1980年初夏にフィロリ・マンションにて撮影が開始された「OIL」(撮影当時の題名)のパイロットでしたが、開始早々トラブルが起こります。帝王ブレイク・キャリントン役のジョージ・ペパードが「ブレイクのキャラがあまりにも冷酷すぎる。少し人間っぽい部分も入れるべきだ」と強く主張。プロデューサーと激しい口論となってしまったのです。

納得できないジョージは「降板させてもらう」と撮影所を去ってしまい、撮影も停止してしまいました。製作総指揮を務めていたアーロン・スペリングは、「イメージにぴったり」だと、最初にプッシュしていた「チャーリーズ・エンジェルズ」の声役でお馴染みのジョン・フォーサイトで、いきたいと局に強く提案。ネットワークも納得したのですが、なんとジョンも「パイロットに書かれているような悪役はちょっと」と難色を示してしまったのです。

撮影できる時間も残り少なくなってきているほか、何よりプロデューサーたちが「ブレイク役はジョンで」と強く希望したため、最終的には少し脚本を変えて、ジョンを新たなキャストとして迎えたパイロット版の撮影が行なわれることになったのでした。

「ロッキー」の作曲家が音楽を担当
心配されていた撮影も順調に進みだし、ほっと一息したところで、プロデューサーたちはドラマのタイトルについて再検討を始めました。「OIL」というタイトルで脚本は執筆されていましたが、誰もがダサイという印象を抱いていたのです。様々なタイトル案が出されましたが、女性の視聴者にアピールできるようなゴージャスな題名を、とのことで「ダイナスティ」に決定しました。

ドラマの音楽担当者の選考も同時に行なわれ、クラシックでインパクトのある「ダイナスティ」を表現できる作曲家として、映画「ロッキー」のテーマソング「Gonna Fly Now」を手がけたビル・コンティが採用。ドラマのパイロットは3時間のTV映画として放送されたのですが、オープニング曲は一度聞いたら忘れられないようなインパクトの強い曲となり、プロデューサーや局を大満足させたのでした。

こうして、大人のファンタジードラマ「ダイナスティ」は、ロナルド・レーガン大統領就任式の1週間前の1981年1月12日に放送開始となったのです。

不評だったシーズン1
放送前に局を挙げて大々的な宣伝を行なってきたものの「ダイナスティ」シーズン1の評判は、いまいちでした。デンバー版「ダレス」であり二番煎じだと酷評され、視聴率も思うように稼げなかったのです。そのためABCはシーズン2制作のゴーサインがなかなか出せませんでした。

脚本家チームは、ドラマの方向性は間違っていないと自信を持っていました。ただ、パンチのある人物がいないことは感じており、そこでブレイクの元妻アレクシス役を書き入れることを決めたのです。キャスティング選考はすぐに行なわれたのですが、第一候補であったエリザベス・テイラーには断られ、第二候補であったソフィア・ローレンもスケジュール的にも無理であると断られてしまいました。

アレクシスという新キャラクターはシーズン1の最後、裁判所のシーンでお披露目されることになっていました。しかし、キャスティングが間に合わず、脚本家たちのイメージ通りの華奢な体型でエレガントな雰囲気が漂う女優に大きなサングラスと大きな帽子をかぶらせ「とりあえず」登場させることにしたのです。

プロデューサーたちは「アレクシスを演じきれる女優が見つかるだろうか」とヒヤヒヤしていたそうですが、結果的には、これがシーズン2への大きな宣伝となったのです。

<次回も「ダイナスティ」の撮影秘話をご紹介いたします。いよいよジョン・コリンズが登場します!>