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ロビン・ウィリアムズ、アルコールとコカイン依存症と闘い続けた30年間

2014年8月13日
ロビン・ウィリアムズロビン・ウィリアムズ
WENN.com
8月11日にカリフォルニア州の自宅で死亡しているのが発見された、米人気コメディアンで俳優のロビン・ウィリアムズ(享年63才)。突然の訃報は世界中に衝撃を与えたが、米エンタテイメント業界誌最大手のHollywood Reporterは、長年ロビンが依存症と戦い続けてきた様子を伝えている。

ロビンは80年代に放送された人気コメディ「Mork and Mindy」でブレイクした後、コカインとアルコール依存症に陥ったが、仲の良い友人だった「サタデー・ナイト・ライブ」のジョン・ベルーシが人気絶頂の1982年に薬物過剰摂取で急死したこと、最初の妻が長男を妊娠したことがきっかけとなり、リハビリ治療を受けようと決意。アルコール、コカイン共にきっぱりと断ち切った。

だが、依存症という病は一筋縄ではいかず、克服したと確信しても、ふとしたきっかけで再び発症してしまうことが多い。ロビンは亡くなる数週間前に、リハビリ再生センターに入院し話題となったが、30年以上に亘り依存症と戦っていたのだった。

ロビンは自身の依存症について隠さず、常にオープンに語ってきた。1988年に受けた米芸能誌Peopleのインタビューでは、「コカインは自分にとって隠れ場所だったんだ。大半の人はコカインをやるとハイパーになるけど、自分にとってはペースダウンさせてくれるものだった」と赤裸々に告白。「ジョン・ベルーシの悲劇を目の当たりにして怖くなったんだ」「彼の死はショービジネスに携わる多くの人間を怖がらせたものだよ。彼の死のおかげで、本当に多くの人たちが麻薬から足を洗ったんだ」「赤ん坊も生まれてくるし、父親になるのに早死にしちゃいけないって目が覚めたんだ」と語った。

スタンドアップ・コメディのライブで、コカイン依存症がどれだけ危険なものかをネタにしたこともあったロビンだが、キッパリと断ち切ってから20年経った2006年8月、アルコール依存症で再びオレゴン州のリハビリ施設に2ヶ月間入所。ニューヨーク・タイムズの取材に対して、「まだね、後ろで声がすることがあるんだ。誘惑のね」「誘惑に負けるたびに、酒の量が増えていく。自分がどれほどちゃんと生きたいのか、ちゃんと向き合わなくちゃいけないと思ったんだ」と述べ、依存症のそもそもの原因と問題について立ち向かったと明かした。

なお、2006年にリハビリ治療を受けるきっかけとなった主な理由も、長男の存在が大きかったとのこと。長男はザ・タイムの取材に応じた際、「最終通告だったんだ。もし、酒を飲み続けていたら今こうして生きていることは絶対にないと断言できる」と明かした。

ロビンはその後、「グッドモーニング・アメリカ」に出演し、再び飲酒し始めてしまったことについて激白。「とってもゆるやかに依存症に戻ってしまった」「克服したといっても、常に絶壁に立っているようなものなんだ。で、いつも背後から小さな優しい声が聞こえるんだよ。”飛んじゃいな”って。”一回だけだから”って」「でも忍耐力のない者にとっては、一回だけなんて不可能なんだよ」と明かした。

また、ロビンはメル・ギブソンが2006年7月末にロサンゼルスで飲酒運転事件を起こしたことも、リハビリを決断する要因になったと告白。「メルの報道の方が凄かったから、自分のリハビリには全然スポットライトが当たらなかったけどね」と茶目っ気たっぷりに語っていた。

禁酒を破ってしまったことについては、昨年受けたParade誌のインタビューでも語っており、「ある日、店に入ったら棚に並んでいるジャック・ダニエルのボトルが目に入ってきたんだ。そしたら、あの例の声が聞こえてきてさ・・・・・・”ヘイ、味見だけしてみなよ。一回だけ”って言うんだ」「誘惑に負けて飲んじゃったんだけど、直後は、あれ?大丈夫だ!って思ったんだ。でも、そこからが早かった。1週間の間に大量の酒をボトルごと購入して浴びるように飲むようになってしまったんだ。まるで風鈴のようにフラフラして、まともに歩くこともできなくなって。自分でも、やばいなと思ったんだよ。でも、どうすることもできなくて、感謝祭の日には酷く泥酔してみんなが二階の寝室に担いでくれたほどだったんだ」と明かしている。

ロビンは、禁酒し続けるために今年6月末にリハビリ再生センターに入院しているが、その時彼の代理人は、「ずっと仕事が忙しかったのですが、やっと時間が開いたので。彼にとっては静養のようなものです」と説明。依存症に真剣に取り組み続ける姿勢が立派だと、大きな話題になったばかりだった。

依存症を克服し続けることは決して容易いことではない。誘惑の声に悩まされ続けてきたロビンだが、今やっと、その悪魔の声からも解放されたとHollywood Reporterは伝えている。