「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」アン・リー監督来日! 「『リンカーン』なんてコワくない!」

映画「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」のアン・リー監督の来日記者会見が、1月17日、東京都内で行われた。

同作は、海で嵐に見舞われ、ただひとり生き残った少年パイが、トラと227日間にも及ぶ漂流生活を送るというもの。あまりにも驚きに満ちた内容ゆえに、映画化不可能と言われていたベストセラー小説「パイの物語」を基に作られている。アカデミー賞の作品賞、監督賞などを含む11部門でノミネートされている作品だ。

リー監督は、同作がアカデミー賞にノミネートされたことについて「この映画を作れたというだけで満足なんです。賞はボーナスのようなものです。だけどもし受賞したら…、スピーチが心配ですね」と冗談まじりにコメント。

同賞の作品部門にノミネートされており、ライバル作品ともいえる映画「リンカーン」については、「『リンカーン』を恐れてはいません。仲間がたくさんいますから、パイのように孤独を感じていませんよ」と誇らしげに語った。

終始おだやかな笑顔を見せていたリー監督。しかし、中でも作品の内容やキャラクター、主人公のパイを演じた俳優についての質問になると、熱く語る様子も見せた。

主人公パイというキャラクターについて聞かれ、「パイはどんなキャラクターなのか、というのはなく、彼は万人を表しています。人間を象徴したもの。とても抽象的なキャラクターで、それに色をつけたのは俳優です」と説明。

監督は、少年時代のパイ役を務めたスラージ・シャルマを絶賛した。スラージは、今までまったく演技経験がなかったにも関わらず、同役に抜擢。インドの高校生3千人に対し行ったオーディションで出会い、リー監督はスラージを一目見て「パイだ」と思ったという。スラージは演技をする際に、その世界に深く入り込む才能があると語った。

同作について、監督は「同作はアジアの作品だと思っている」とし、これからもアジアの表現を使って、世界中に影響を与えられるようなプロジェクトに挑戦していきたいと意気込んだ。

映画「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」は、2013年1月25日(金)、TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー。


■ 公開情報

「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」

2013年1月25日(金)、TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー

公式サイト : //www.foxmovies.jp/lifeofpi/

(C)2012 Twentieth Century Fox

配給 : 20世紀フォックス映画