“ワールドプレミア”の発案者はトム・クルーズだった！？ 今では１日に３か国でプレミアを開くタフガイに

いくつになっても魅力を損なわない端正な顔立ちと気さくな人柄で、日本でも屈指のビッグスターのひとりに数えられる、俳優のトム・クルーズ(51)。そんな彼こそ、「ワールド・プレミア」の発案者だと、本人が自負している。

かなりの親日家としても知られ、現在でも自身の主演作が公開されるたび、ほとんどといっていいほど頻繁に日本へやってきて、さわやかな笑顔で自作をPRしていくトム。今月の末には、トムにとっての最新作であり、日本のライトノベルを原作にした映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」をひっさげた、1年1か月ぶりの来日が控えている。

もちろん、今回の来日でも、本人が登場する“ジャパンプレミア”が行われる予定。だが今では当たり前となった本国外でのプレミア開催も、かつてはそうでなかったのだという。トムにとって、スターの座を確立する契機となった、名画「トップガン」(1986)プロモーションツアーの裏話を、およそ30年のときを経て、トム自身が明かした。

「『トップガン』のとき、(映画PRのため)世界中を回ったんだ。イタリア、パリ、それから日本をね。海外を旅するのは大好き。素晴らしい体験だったよ。だけどこのツアーは、4か月もかかったんだ。このころは毎回こんな感じで、海外PRツアーに何か月もかけていた。1か所に何週間も滞在することもあったよ。旅は大好きだったんだけど、それだけやっていればいいってわけじゃなくて……」

映画スターはもちろん多忙。当時、すでに引っ張りだこだったトムが、「トップガン」をアピールしている一方で、次作「ハスラー2」(1986)は、主演のトム不在のまま監督マーティン・スコセッシによって進められていた。さらに1988年公開のオスカー獲得映画「レインマン」も、すでに着手されていたという実体験を語り、その焦りからひとつのアイディアが生まれたことを明かした。

「ひとつの国での滞在は数日にすればいいって思ったんだ。そしてぼくはプレミアが大好きだし、いろいろな国でプレミアをやればいいって思いついたんだよ。思いついてから実行に移すまでは、数年かかっちゃったけどね」

結果として、いまやハリウッド映画のキャストが世界の主要都市を次々に訪れ、豪華なプレミアを開くことも決して珍しいことではなくなった。「プレミア大好き」という言葉を裏付けるかのごとく、実際にトムは、最新作「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のPRで、先日たった1日でイギリス(ロンドン)、フランス(パリ)、アメリカ(ニューヨーク)の3カ国でプレミアを開催するという偉業を達成。50代に突入したいまも、若いころと変わらぬタフガイぶりを見せつけた。

トム・クルーズの最新主演映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」は、7月4日より全国公開。なお、6月26日と27日に、日本国内でイベントを予定している。