マドンナ、パリ襲撃事件被害者のために熱唱 涙ながらに「こんなときこそ、私たちが黙っていてはいけない」と語る[動画]

歌手のマドンナ(57)が、11月13日に、仏パリで起きた連続襲撃事件の被害者のため、名曲「ライク・ア・プレイヤー」をささげた。涙ながらに、自身の思いをステージで語った。

マドンナは、スウェーデンのストックホルムにて、事件から一夜明けた11月14日に、公演を開催。状況が状況なだけに、中止も頭をよぎったことを明かし、それでもステージへ立つに至った思いを、観客に語った。

【動画】事件被害者のため、マドンナが歌う「ライク・ア・プレイヤー」


マドンナにとっても、今回の出来事は非常につらいものがあったようだが、観客に対し「何が起きたか忘れてはいけない」と呼びかけている。「この瞬間は、悲劇的な殺人、わけもわからず大切な命が終わりを迎えた、昨夜パリで起きた、あの悲劇を知らしめるために必要なもの」と、観客へ語りかけた。

ほかのアーティストが、ショーの中止を発表する中で、自身の公演も中止すべきがどうか迷ったことをマドンナは認めている。「なぜ私は、人々が愛する誰かを失って泣いている中で、踊ったり楽しんだりするの?」という自問があったようだが、「それこそ犯人たちが、人々に望むことだ」という結論を得たという。

「彼らは私たちを黙らせたいの。私たちの口を閉ざしたいのよ。だから私たちはそうさせない。私たちは絶対に、彼らに屈したりしない」

「世界を変えたいのなら、誰かを殺すんじゃない。毎日、お互いをどう扱うか、そんなシンプルな方法しかない。わかる?　私たちは、すべての人間を、礼儀や敬意を持って接すようにしなくちゃいけない。これが世界を変える唯一の方法よ。これだけなの。愛だけが世界を変えられるのよ」

「だけど誰をも愛するというのは、難しいことよ。自分にはわからないもの、自分とは違うものを愛することは、とても難しいわ。でもやらなくちゃ。こんなことが永遠に続くのよ」

6分間におよぶスピーチ、そして黙祷ののち、マドンナはギター一本を伴奏にして、涙をぬぐいながら「ライク・ア・プレイヤー」を熱唱。次第に音楽が盛り上がっていくとともに、観客が手を振りながらステージを照らし出していくさま、そして同じフレーズを会場中で歌い上げるエンディングは、とても感動的だ。