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Netflix「ナルコス」パブロ・エスコバル役ヴァグネル・モウラにインタビュー! 巨悪の主人公に視聴者が魅了される理由とは?

2016年6月14日
ヴァグネル・モウラ © Netflix. All Rights Reserved.ヴァグネル・モウラ © Netflix. All Rights Reserved.
Netflixオリジナル作品「ナルコス」のシーズン2が9月2日より配信されることが発表された。80年代後半に実在したコロンビアの悪名高き麻薬王パブロ・エスコバルを描く本作は、彼率いる麻薬密売組織と取締捜査官たちの熾烈な対立を描く作品だ。麻薬売買だけでなく、テロや暗殺など、麻薬組織の範疇を超えた犯罪にも手を染めていた巨悪の主人公に、視聴者が魅了される理由とは何なのか?パブロ・エスコバル役を演じるヴァグネル・モウラが、彼が考えるエスコバル像から役作り、近年のカルテルや麻薬組織にまつわるプロジェクトの流行について、TCAツアーでのインタビューで明かしてくれた。





Q.あなたの故郷のブラジルでは、パブロ・エスコバルはどのような存在なのでしょうか?

モウラ:ブラジルにとってコロンビアは近隣国ですが、このシリーズに参加する前の私個人のパブロへの印象は、とても浅いものでした。コロンビアの悪者で、屋根の上で殺害されたという……。シリーズに参加したことで、より深く彼のことを理解するようになりました。このシリーズを見たすべての人たちも、より彼のことを知るようになったと思います。


Q.エスコバルの人間的な部分を見せることによって、視聴者が彼に同情することがあると思うのですが...

モウラ:そうですね、少なくとも、彼が“人間”であったことは確かです。それを伝えることが私たちの仕事でもあると思っています。このシリーズを始める前に、私たちは皆、コロンビアの歴史に最大限の敬意を払うことに配慮しました。特に、パブロの犠牲となった人々や、現地で起きたできごとに対してです。と同時に、私の仕事は、パブロを人間として演じることでした。彼は悪魔ではなく、確実に人であり、彼のことを好きな人達も存在しました。エル・チャポ(麻薬王)のことを好きな人だって、たくさんいるはずですよね。友達も家族も子供もいる。彼らは人間なんです。


Q.実際にどのような役作りをされたのですか?

モウラ:このシリーズに参加する前はスペイン語を話せなかったので、(役作りにおいては)今までで一番苦労しました。スペイン語を学ぶために大学に通い、パブロの故郷を訪ね、パブロに関するあらゆる本を読みました。パブロの叔母の隣人のまた隣人が本を書いたり、とにかく彼に対するスペイン語の本が膨大に存在するのです。パブロに関するこうした本や映像は、手に入る限りすべて見たと思います。先入観を捨て、自分なりにパブロに感情移入し、自分なりの解釈でパブロを演じるためです。例えば、(『エスコバル 楽園の掟』で)べネチオ・デル・トロが演じたパブロを見ましたが、その素晴らしいパフォーマンスのなかに自分が研究して知り得たパブロが投影されていたものの、私のバージョンとはまったく違うものでした。


Q.スペイン語を学びにコロンビアの大学に行かれたのですよね。

モウラ:外国人向けのスペイン語クラスをとっていました。同じクラスに、2人の日本人のティーンエイジャーがいましたよ。40歳に近い年で学校に戻ることができるとは、いい体験でした。


Q.今回、役作りにとても長い時間をかけたということですが、それは、パブロ役だったからですか? それとも、いつも役作りには時間をかけるのでしょうか?

モウラ:どの役においても、キャラクターに深く入るような役作りをしています。もちろん、パブロ役はとても難しかったです。スペイン語を話せない痩せたブラジル人が、肉付きのいいパブロ・エスコバルを演じることになったのですから。40パウンドの増量をしました。今の私はとても太っていますよ! パブロを演じる限り、しばらくは、肉付きのいいままでいます。


Q.人々が、一見、悪者に見える、そうしたキャラクターに魅了される傾向はあると思いますか?

モウラ:まさに、誰もがそういうキャラクターに魅了されるものだと思います。実際に、法を無視して生きることはできないのですから。法律に囚われないというのは格好よくも思えます。もちろん、誰も人を殺したいわけはありませんが、自分たちが守らなければならない法律に囚われていない人々へ憧れる気持ちというのは、いつの時代も存在するはずです。


Q.これまで、南米で多くのテレビ番組や映画に出演されてきましたが、今回のネットフリックスの大プロジェクトに参加して、どんな気持ちでしたか?

モウラ:ブラジルという国は、ポルトガル語が母国語で、独自の文化を持っているため、スペイン語を話す国々の多い南米では孤立しています。ブラジル人は、自分たちのことを南米人ではなく、“ブラジル人”だと思っているのです。今回、コロンビアという地で、麻薬組織の人間という、自分には無縁であった役柄を演じられたことは貴重でした。チリやアルゼンチン、コロンビア、メキシコといった国々も関わるプロジェクトだったので、初めて自分がラテン・アメリカ人だと感じられた。それがこのシリーズに参加したことによる、最大のご褒美のひとつでしたね。

そして今、コロンビアという国で起きた出来事を、世界中の人々が見ていることは興味深いです。あまり字幕になじみのない米国の人々も、英語字幕のついたスペイン語のシリーズ(である「ナルコス」)を見ているのです。私自身にとって、こうしたネットフリックスのプロジェクトに関わることは、意味のあることだと思っています。先日、(ネットフリックスのオリジナル映画である)『ビースト・オブ・ノー・ネーション』も見ましたが、アフリカの特殊な現状に関する作品を観て、納得する想いがありました。今の国際化の波に貢献しているネットフリックスのなかで、「ナルコス」もひとつの役割を担っていると思います。


Q.最近のカルテルや麻薬組織にまつわるプロジェクトの流行について、どう思われますか?「ナルコス」が成功した理由のひとつに、「ブレイキング・バッド」の影響があるという声もありますが?

モウラ:実は、「ブレイキング・バッド」を見たことがないのです。世界でただ一人、見たことがない人間といえるぐらいですよね。自覚しています(笑)。素晴らしいシリーズだとは知っているのですが、子供が3人いるので、ネットフリックスではアニメばかり見てるんですよ。独身だったら、見られるのかもしれないけど……。

「ブレイキング・バッド」や、麻薬取引やカルテルに関する作品の流行が、「ナルコス」に影響しているとは思いません。エリック・ニューマンやジョゼ・パジーリャら製作陣が、今、「ナルコス」を作り、麻薬取引やカルテルについて語るのには理由があったのです。私たち、とくに、ラテン・アメリカ人である自分にとっては、とても重要な題材なのです。南米には、まぎれもない現実が存在します。米国による麻薬に対する政策には不正があると、世界的に証明されています。メキシコや中米では実際に戦争が起きており、麻薬生産に関わる貧しい国の若者たちが日々、殺されているのです。このままでいいわけがありません。個人的に、このような状況になった経緯を理解し、完全なる不正だと思われる政策についての自分の知識を深める意味でも、「ナルコス」への出演は重要なことでした。


Q.日本の人々も「ナルコス」に興味を持っているのですが、世界中で「ナルコス」が人気を博している理由やシリーズの魅力は何だと思われますか?

モウラ:どうでしょうかね。個人的には、いつか日本に行きたいと思っていますし、日本という国や文化に魅了されています。でも、これほど文化の違う場所で、「ナルコス」がどのように受け入れられるのか想像もつきません。と同時に、国際化する今という時代や、人間ドラマの側面は、世界中どこでも共通することだと思います。日本でも支持されれば、嬉しいですね。


Q.日本のファンにメッセージは?

モウラ:日本文化にとても、魅了されています。本当にいつか、行ってみたいと思います。東京にも。第2シーズンの配信開始時に、連れて行ってもらえるといいのですが(笑)。


【動画】「ナルコス」予告編



■公開情報

Netflixオリジナルドラマ「ナルコス」シーズン1
Netflixにて好評独占ストリーミング中!

© Netflix. All Rights Reserved.


■Netflixについて

世界最大級のオンラインストリーミングサービス。190以上の国で7500万人のメンバーが利用している。オリジナルコンテンツ、ドキュメンタリー、長編映画など、1日1億2500万時間を超える映画やドラマを配信。

メンバーはあらゆるインターネット接続デバイスで、好きな時に、好きな場所から、好きなだけオンライン視聴可能す。コマーシャルや契約期間の拘束は一切なく、思いのままに再生、一時停止、再開することができる。

・公式サイト : Netflix.com/jp
・公式ツイッター : @NetflixJP
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・公式チャンネル : youtube.com/c/NetflixJP
 
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