天才的な能力を持つ、自閉症でサヴァン症候群の医師を熱演!「グッド・ドクター 名医の条件」で主演を務めるフレディ・ハイモアにインタビュー

2013年に韓国で作られたドラマ「グッド・ドクター」を米国でリメイクし、2017年9月から放送がスタートし全米で大ヒット中のドラマ「グッド・ドクター 名医の条件」。自閉症だが天才的記憶力を持つサヴァン症候群である青年医ショーン・マーフィーが、膨大な医学の知識を駆使して大病院に旋風を巻き起こすという物語。ショーン役を「チャーリーとチョコレート工場」などの映画で名子役と呼ばれ、ドラマ「ベイツ・モーテル」シリーズでも好演した若手男優フレディ・ハイモアが熱演し、第75回ゴールデン・グローブ賞TVの部・ドラマ主演男優賞にノミネートされた。

一度読んだ医学書はすべて暗記し、それを難病の患者の治療に応用して大活躍。保守的な病院関係者・先輩ドクターの偏見や反発を乗り越えながら成長していくショーンの姿が、痛快で感動的なヒューマンメディカルドラマだ。

TVグルーヴでは主演のショーン医師を演じたフレディ・ハイモアにインタビュー。作品の魅力や撮影の裏話、プライベートな話題に迫った。

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――今回は2回目の来日ということですが、昨日(インタビュー前日)は1日オフだったとお伺いしました。観光などはされましたか?

フレディ・ハイモア(以下F):僕は街を歩きまわることが好きなので、昨日は歩いて渋谷のスクランブル交差点や、原宿に行きました。晩御飯は渋谷交差点の近くにある西武百貨店の8階で食べました。僕は和食が好きでお寿司が大好物です。今夜は天ぷらを食べに行く予定です。日本で美しい桜を見てみたかったんですが、少しだけ時期が早すぎました。次の機会に行きたいです。

――天才医師ショーン・マーフィーを演じていらっしゃいますが、ご自身との共通点、そして違う点は?

F:主人公のショーン・マーフィーはとても楽観主義者で希望に満ち溢れているキャラクターで、その点は僕と似ていると思います。でも僕はイギリス人なので、シニカルな面も持ち併せていますね。ショーン・マーフィーと違うところは、世の中の見方や捉え方ですね。自分と違う考えの人物を演じることはとても学ぶことが多く、楽しいです。


――サヴァン症候群と自閉症という難しい役を演じていらっしゃいますが、苦労したことや演じるためにしたことはありますか?

F:まず始めに言えることは、ショーンは全ての自閉症の人を代表しているわけではないんです。僕は自閉症とサヴァン症候群を持った人物を忠実に表現し演じたいという思いがありました。その為にドキュメンタリー番組を見たり、実際に自閉症の方にお会いしたり、本を読んだりしました。彼の特殊な性格や個性を、細部まで表現することにこだわりました。


――「グッド・ドクター 名医の条件」は、他の医療ドラマとどういった違いがありますか?

F:非常にポジティブで希望を持っている主人公の存在が際立っているドラマです。視聴者から反響があったのが、ショーンが発するメッセージが非常に希望に満ち溢れているということ。今や世界にネガティブなことがたくさんあり、テレビをつけてもネガティブなニュースばかりですが、ショーンの純粋さや希望に満ち溢れた姿は新鮮に感じるはずです。



――手術のシーンはどういう風に撮影されましたか?

F:他の医療ドラマの現場では、実際に動物の臓器を使ったりして、臭いがきつくて大変だったりするそうですが、ラッキーなことに「グッド・ドクター 名医の条件」では全てプラスチックでできた偽物を使いました。なので撮影はとてもやりやすかったです。(笑)手術のシーンで血のりをたくさん使うことも多いですが、僕は全然抵抗がなく平気です。


――ショーン・マーフィーはピュアで純粋な医師ですが、この先ショーンの恋愛が描かれることはありますか?

F:実は、シーズン1でショーンは初恋を経験します。映画やドラマでは自閉症の人はあまり感情を表さないと描かれることが多いのですが、私たちにはそれをできるだけ避けたいという思いがあります。ショーンが恋愛感情を持つ姿など、色々な面を描いているので、楽しみにしておいて下さい。


――俳優としてジョニー・デップを尊敬しているとおっしゃっていましたが、彼はどういう存在ですか?

F:彼は僕にとって特別な存在です。「ファインディング・ネバーランド」と「チャーリーとチョコレート工場」で尊敬するジョニー・デップと共演しましたが、彼は二つの作品で全く違う役を演じきっていました。俳優として尊敬していますし、現場では他の人に対して敬意を持って接するところも素晴らしいと思っています。


――子どもの頃から俳優として活躍されていますが、成長過程で俳優を続けていくことに難しさや楽しさはありましたか?

F:「グッド・ドクター 名医の条件」の撮影でバンクーバーに8ヶ月滞在していましたが、20代前半に「ベイツ・モーテル」の撮影でもバンクーバーに長期で滞在していたので、色んな場所に行けて色んな人に会えるという環境に感謝していますし、自分はとてもラッキーだと思っています。ベイツ・モーテルの撮影が19歳から始まって25歳まで続いたので番組の中で成長し、自然と大人になることができました。


――これまで様々な役を演じられましたが、演じるにあたって、インスパイアされるものは何ですか?

F:旅行をしたりすることで、意識はしていなくても潜在的に色々なものを吸収していて、それが演技に繋がったり反映されていると思います。振り返ってみると、僕が演技を離れて大学に行ったことが良い経験だったと思います。もしもずっとハリウッドにいたら、囲われたような生活になってしまい、現実的な生活がどういうものかを知らないまま今に至っていたかもしれません。


――「グッド・ドクター 名医の条件」には子役も出演していますが、ご自身を振り返って、彼らに対するメッセージはありますか?

F:演技指導みたいなことはしませんが、僕が子役だった頃はとにかく「人」を見て吸収していました。なので、僕も彼らの参考になっているかも知れませんし、僕が一生懸命、役に励むことで彼らに良い影響を与えたいです。


――サッカーが大好きで、「アーセナル」の大ファンだということをお伺いしました。ご自身でスポーツをされることはありますか?

F:サッカーが一番好きなスポーツではありますが、人数が揃わないと出来ないので、バンクーバーではなかなか出来なくて困っています(笑)。最近はアイスホッケーの観戦に行ったりして楽しんでいます。僕はアイススケートすら出来ないんですけどね。2人で出来るテニスを習っておけば良かったと、少しだけ後悔しています。スポーツと言えば、せっかく日本に来たので相撲を観戦したかったんですが、残念ながら今はシーズンではありませんでした。次回に期待します。


――10年後はどうなっていると思いますか?

F:10年後は全く想像がつきませんが、「グッド・ドクター 名医の条件」のような良い作品に関わっていたいですし、常に新しいことに挑戦していたいと思っています。「ベイツ・モーテル」で製作に携わったように、「グッド・ドクター 名医の条件」のシーズン2でも意欲的にやっていきたい。コンセプトから作品を創り上げることに興味を持っています。


――SNSでプライベートの姿を見たいと思っている多くのファンがいると思いますが、SNSのアカウントを開設される予定はありますか?

F:僕はただSNSのアカウントを持っていないだけで、SNSに反対しているわけではないんです。仕事とプライベートを分けているので、今は上手くバランスが取れていると思います。実は日本に来る飛行機の中で、携帯電話が壊れてしまったんです。でも実際のところ、あまり困っていません。Eメールアドレスは持っているし、電話も使えますよ。(笑)


――最後に、日本の皆さんにメッセージどうぞ!

F:「グッド・ドクター 名医の条件」を心待ちにしてくれてありがとう。この番組を楽しんでくれると嬉しいです。また日本に戻ってこれる日を楽しみにしています!




( インタビュアー・文:加藤優花 )

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■放送情報:

グッド・ドクター 名医の条件

WOWOW
4/1(日)よる6:20　第1話先行無料放送
4/5(木)スタート　第1話無料放送



<ストーリー>
カリフォルニア州サンノゼの聖ボナベントゥラ病院。院長グラスマンは地方のワイオミング州に住み、医学博士の学位を持つ青年ショーンを自分の病院に外科レジデントとして招く。自閉症のショーンは他者とのコミュニケーションが苦手だが、サヴァン症候群でもあり、天才的な記憶力や空間認知能力を持ち、医学書から得た無数の知識も即座に思い出せた。だが院長の座を狙う病院の理事マーカスなど病院関係者や多くのドクターは、ショーンが自閉症であること自体が患者たちに不安を与えたり医療の現場に混乱をもたらしたりすると彼の勤務に反対する。それでも純粋なショーンは、治療困難な患者たちを次々と全力で救い、院内で旋風を巻き起こしていく。