米動物園で転落した男児を救うためゴリラが射殺される、海外セレブからは怒りと悲しみの声

オハイオ州シンシナティ動物園で5月28日、ゴリラの飼育エリアに転落した4歳の男児を救助するためにゴリラが射殺されたことについて、欧米のセレブたちがSNSを通して怒りのコメントを発表している。

この事件は先月28日、絶滅危惧種である17歳のニシローランドゴリラ「ハランベ」が、自分の飼育エリアに転落した4歳の男児に危害を加えようとしたとして、園が射殺したというもの。この園の判断に、世間から「ハランベは男児を守ろうと自分のもとに引き寄せようとしていた。危害を与えようとはしていなかった」「なぜ麻酔銃で撃たずに殺したのか」という批判の声が上がっており、「そもそも親の監督不行届」と一緒に動物園にいた男児の母親を非難する声も上がっている。

【動画】男児がゴリラの飼育エリア内に転落した際の映像


欧米のセレブたちもこの「ハランベ射殺」について、SNSを通して次々とコメントを発表。

動物愛護者として有名な女優のケイリー・クオコは、インスタグラムに優しい表情のハランペの写真を投稿し「動画には、男児に危害を加えるどころか、手を握っているゴリラの姿がうつしだされている。射殺されたのは悲しいことだけど、檻の中に監禁されている生活とおさらばできてよかったかもね」と皮肉たっぷりにコメント。

RIP #harambe Im sure I will get tons of backlash (per usual) I mean let's be honest, I wear the wrong sweatpants and the entire world has something to say about it, but once again , another senseless horrendous animal being killed over people not using their brains. If you watch the footage, you see this gorgeous animal holding that child's hand. Do with that ,what you will. As sad as this makes me, a part of me is happy for that amazing creature doesn't have to live in captivity another day. Bring on the hate!!!!

@normancookが投稿した写真 - 2016 5月 30 9:25午後 PDT

歌手のキャサリン・マクフィーは、Twitterで「だから動物園って大きらいなのよ!めちゃくちゃなんだから。ゴリラが本当にかわいそう」とツイート。ケリー・オズボーンは「ハランベを殺した人は恥を知れ」、女優のゼルダ・ウィリアムズは「ゴリラの飼育エリアの囲いは、なぜ子供対策をしていなかったの? 絶滅危惧種なのよ。なぜ、その囲いの中に男児が飛び降りられるようにしていたの?」とツイートし、イギリス人司会者のピアーズ・モーガンは「ハランベよ、安らかに眠れ。動物園が飼育エリアの囲いをきちんと作っていなかったせいで、素晴らしいゴリラが死んだよ」とインスタグラムでコメント。ケイリー同様、動物園を非難した。

親の監督不行届を非難するセレブも多く、女優のケイティー・サッコフは「無責任な親のせいでゴリラの命が奪われ本当に悲しい」、リアリティ・スターのリサ・バンダーパンプは「ビデオを見れば、ゴリラは何も悪いことをしていないのが分かるのに、悲しいわ……それに、わたしが男児の母親なら我が子を救うためすぐに飛び降りていたわ」、韓国出身のMV監督ジョセフ・カーンは「我が子が自分でゴリラの飼育エリアに飛び降りたのなら、さよならと諦めるべきだね。これ、ダーウィニズムって言うんだぜ」とツイート。

また、イギリスの人気コメディアン、リッキー・ジャーヴェイスは「人間よりもゴリラの方が子供の面倒をよくみられるようだね」、俳優のD・L・ヒューリーは「車に子供を放置したら刑務所行き、ゴリラの囲いの中に子供を行かせるような親も刑務所に行くべきだ!」と親を非難。

俳優のトレバー・ドノヴァンも「“オハイオの動物園の飼育エリアに男児が転落し17歳の罪なきゴリラが射殺されました”親は一体どこにいたんだよ!?」、人気スポーツキャストのミッシェル・ビードルは「朝の番組で、親へのインタビューを放送するの、やめてくれる?ゴリラが死んでるのよ。誰も彼らの言い訳なんて聞きたくないわ」と厳しいコメントをTwitterに投稿した。

一方、女優のアリッサ・ミラノは、ネット上で公開され話題を集めている「とても悲しい出来事だけど、ゴリラを射殺するという決断を下したのはあなたではないし、あなたがその責任を負う必要はない」「わたしは妊婦で2人の子持ちだけど、ちょっとした隙に、子供がどこかに行ってしまうということはよくある。どんなに注意して見ていても、一瞬にして見失うことがある」という内容の、母親に同情するエッセイにリンクを貼った。

また、ラッパーで俳優のアイス-Tは「速報:警察はゴリラと繋がりのあったギャングが現場から逃走した模様と発表」と皮肉るツイートを投稿。

女優のホーリー・ロビンソン・ピートは、5月21日にチリ・サンティアゴの動物園で、自殺願望の男が全裸になりライオン飼育エリアに入ったため、男性を救助するためライオン2頭を射殺したという出来事を引き合いに出し、「先週チリで、ライオンの飼育エリアに男が飛び込んだばかりなのに、今度は男の子がゴリラの飼育エリアに飛び降りたですって……罪の無い美しき動物たちが殺されてばかり」と嘆きのツイートを投稿した。

今回の悲しい出来事に対する非難の声が全米から高まる中、シンシナティ警察当局は、当初、誰も責任を問わないとしていたが、撤回。事件性の有無について捜査を始めたと明かした。捜査の対象が動物園なのか、男児の両親なのかは、まだ明かされていない。