【LAセットビジット】「サンタクラリータ・ダイエット」ドリュー・バリモア&ティモシー・オリファントにインタビュー(その5)! 意外!? ふたりがNETFLIXで観ている作品は?

2017年2月3日

@drewbarrymore / Instagram

昨年8月、米ロサンゼルスの撮影スタジオにて、ドリュー・バリモア(「50回目のファースト・キス」)と、ティモシー・オリファント(「Justified 俺の正義」)にインタビュー取材を行った。ふたりが主演する最新作「サンタクラリータ・ダイエット」について話を聞いた。

「サンタクラリータ・ダイエット」は、ある日、妻が死んでしまい、人肉を食べる“デッド”に変わってしまったことで、ごく普通の夫婦の生活が激変してしまうというストーリー。お互いNETFLIXの作品には初出演となるふたりに、従来の作品と今作の違いを造り手の視点と、視聴者の視点から語ってもらった。

――おふたりは、NETFLIXでコンテンツを一気見したことはありますか?

ティモシー:　え、一気見以外の方法があるの?　「ハニー、ダメだよ! たったいま観られる状況にあっても関係ない。来週の月曜日まで待つと言ったら待つんだっ!」って?(一同笑)。

ドリュー:　私には、楽しみを先延ばしにしたくなる時もあるわよ。「もう疲れすぎて、これ以上は観られない」ということも。作品を観ている途中で寝てしまってはもったいないから、元気なときに観たいわ。
でも、NETFLIXのテクノロジーは、天才的で素晴らしいものだと思う。「サンタクラリータ・ダイエット」の世界には、皆が引き込まれるはずよ!

――おふたりは、どんな番組をNETFLIXで楽しんでいるんでしょうか?

ティモシー:　「ストレンジャー・シングス」は観ているよ。面白いよね。

ドリュー:　なかなか観ている時間がないんだけれど、クラシック・アニメの「トムとジェリー」なら、いつも子供が寝る前に一気見しているので、すべてのエピソード名を言えるぐらい大好きよ。
でも、最近話題の番組のことは何も知らないの。「ゲーム・オブ・スローンズ」ですら見終わっていなくて、子供が寝てから観るのが楽しみ。いろいろなシリーズの一気見ができるようになる日が待ち遠しいわ!

――NETFLIXはコンテンツを観る側に変化をもたらしましたが、俳優や作り手にとっても、従来のテレビや映画との違いがあると思います。どのような変化を感じますか?

ティモシー:　パイロット版(※)が必要とされないのは、本当に最高なことだよ。「サンタクラリータ・ダイエット」は、映画とあまり変わらないと思う。(クリエイターの)ヴィクターもぼくらも最初から、10話まで進めると知っていたからね。すべてが書面になっていたわけではないけれど、どのような物語が展開していくのか、わかっていた。それは、NETFLIXの魅力のひとつでもある。

※パイロット版　…　米テレビ界では、試験的に第1話を制作してから、検討の上で連続放送が決定するという流れがモデル化している。この第1話をパイロット版(英語:pilot)と呼ぶ。なお、パイロットのみで2話以降が制作されずじまいというパターンも少なくはない。

これまでのテレビ・シリーズに参加した経験から、パイロット版を作って結果を待つ、というモデルについて、思うところがあるんだ。多くの場合、パイロット版を作ったクリエイターに「あれはどうなった?」と聞くと、「まだ売れるかどうかわからないので、とりあえず待とう。企画が売れてから、どうするか考えよう」と言われる。
「なんだ、それは……。なんでもっと売り込まないんだ……」とか、「幸運を祈ります」と言うしかないよね(笑)。ぼく個人的には、そういったモデルがあまり好きではないね。

(だから)今回の「サンタクラリータ・ダイエット」ようなシチュエーションは最高だ。配信側が、「何話、作りますか?　描きたい物語を描き切るために、どれぐらいの時間が必要ですか? すべての制作を約束します」と言ってくれる。素晴らしいことだよ!
ヴィクターは、従来のネットワーク局で活躍したクリエイターでありながら、そのモデルから解き放たれ、「我々はあなたの物語を信じている。伝えたいと思う物語を描き切ってください」というモデルに、気持ちいいほど情熱的に取り組んでいた。そういうクリエイターとともに作品作りをできることは、とても素晴らしい体験だね。

ドリュー:　NETFLIXは、従来のテレビや、映画でさえもできないことをできる場所であり、そこにはある種の自由がある。新しいプラットホームを提供していると思うわ。
NETFLIX側は、信頼と尊敬をもって、造り手や視聴者に自由を与えている。そして、造り手は逆に、(NETFLIXに対して)信頼と尊敬をもって、ダークでクレイジーな形ではなく、クリエイティブで興味をそそる形で、コンテンツを作ろうとしているの。あらゆることに晒されている視聴者の欲求を満たすようなものをね。NETFLIXは、無茶でクレイジーになることなく、限界を押し広げていると思うわ。

現在の映画やテレビにおいては、過去と比べて様々なことに注意を払わなければならない“ジャンル”や“エリア”というものが存在するわ。コンテンツ作りにおける制限や恐怖が増えているの。
そういう意味で、NETFLIXは超えてはいけない線を超えずに、造り手に自由度を与え、よりエッジーで新鮮な作品を生み出せる環境を用意していると思う。

(終わり)