映画「マダム・フローレンス！　夢見るふたり」主演のメリル・ストリープ、彼女がトップ女優であり続ける理由とは？

NYカーネギーホールのアーカイブ1番人気を誇る伝説の歌姫の実話を、メリル・ストリープ×ヒュー・グラントの豪華共演で映画化した「マダム・フローレンス!　夢見るふたり」が12月1日(木)より公開となる。


「クィーン」(アカデミー6部門ノミネート・1部門受賞)でヘレン・ミレンにオスカーをもたらし、「あなたを抱きしめる日まで」(アカデミー4部門ノミネート)でジュディ・デンチにオスカーノミネートをもたらした、ベテラン女優を輝かせる名匠スティーヴン・フリアーズが監督を務める本作は、現代最高峰の名女優メリル・ストリープと、“ラブコメの帝王”ともいえるヒュー・グラントの夫婦役での初共演ということで世界的に注目を集め、さらには第29回東京国際映画祭のオープニング作品として上映されたことでも注目を集めている。

本作で実在した伝説の歌姫マダム・フローレンスを演じたメリル・ストリープは、これまでアカデミー賞に19度もノミネートされ、うち3度もオスカー像を手にしたハリウッドを代表する実力派の名女優。

近年、アカデミー賞で主演女優賞を受賞した「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」(11)では、マーガレット・サッチャーを演じるにあたり、独特な髪型、定番のスカートスーツ、女性らしく優しい声に理知的な口調などサッチャーの特徴を完璧にコピー。

また、「ミュージック・オブ・ハート」(99)で、ニューヨークのハーレムにある荒れた学校の生徒たちにヴァイオリンを教えるロベルタ・ガスパーリという実在した教師を演じた際には、教師という立場に説得力を持たせるため、ヴァイオリンを猛特訓。バッハの曲を軽々と弾くほどにまで成長し、劇中でもメリル本人が演奏を披露した。

さらに、働く女性に大人気の「プラダを着た悪魔」(08)では、業界では彼女のことを知らない人はいないといっていいほどの有名雑誌アメリカ版「VOGUE」の鬼編集長アナ・ウィンターをモデルとしたミランダ・プリーストリー役を演じ、撮影中は役に打ち込むあまりカメラが回っていない間も冷酷になってしまったというエピソードが存在するなど、メリルの役に対するまっすぐな姿勢が、これまでに数々の伝説を生み出してきた理由であることが伺える。

そして、本作で演じるフローレンス・フォスター・ジェンキンスにおいてもメリルは持ち前のスキルを発揮。少しわがままな性格や派手なステージ衣装はもちろんのこと、オンチすぎる歌声は実際の音源を聞いても違いがわからないほど忠実に再現している。

メリルは、自身が演じたフローレンスについて「見方によれば、彼女は滑稽で、年老いていて、役立たずで、贅沢で、病人で、でも毎日”水が半分入っているグラスは、半分しか入っていないんじゃなくて、半分も水が入っているのよ。できる限り幸せな気持ちでいるわ”って思いながら外へ出かけていくような人だった。それでいて彼女は音楽を愛していて、わたしは彼女のそんなところが好きなのよ」と説明。

実在する人物をどのように演じるのか問われると「正直、全部忘れちゃったわ。プロットでさえね(笑)」といい、続けて「そういうのって、その瞬間にしかできないことなの。事前に心構えしたり、練習したりすることはできるけど、結局人生って言うのはその場のやり取りやその瞬間にしか現れないもので、それがどの作品においても最も恐いところなのよ」と一人の役をひとつの人生として捉えて演じていることを明かしている。

そんなメリルについて、フローレンスの伴奏者コズメ・マクムーンを演じたサイモン・ヘルバーグは、「メリルは映画の中で笑って、泣いて、忘れて、失敗するけれど…そういう人間的な反応は、すべて実際にそこでメリル自身が体験していることなんだ。それが、彼女を最高の役者たらしめているんだと思う」と初共演で目の当たりにしたメリルの役へのアプローチを称賛。


米大統領選で見事勝利したドナルド・トランプ氏にも扮し話題となるなど、実在の人物をはじめ、どんな役でもこなせるメリル・ストリープ。メリルが愛情を持って演じた、実在の人物フローレンス・フォスター・ジェンキンスの笑いと感動の物語は12月1日(木)公開。

【動画】「マダム・フローレンス!　夢見るふたり」予告編
■ストーリー

世界が憧れる音楽の殿堂 “カーネギーホール”。ここで、今なお“伝説”として語り継がれる一夜がある。1944年、フローレンス・フォスター・ジェンキンス(メリル・ストリープ)の公演回だ。

NY社交界のトップ、マダム・フローレンスの尽きない愛と財産は、夫のシンクレア(ヒュー・グラント)と音楽に捧げられていた。ソプラノ歌手になる夢を追い続けるフローレンスだが、彼女は自分の歌唱力に致命的な欠陥があることに気づいていない。

愛する妻に夢を見続けさせるため、夫のシンクレアは、マスコミを買収して、信奉者だけを集めた小さなリサイタルを開催するなど忙しく献身的に立ち回っていた。

しかしある日、フローレンスがカーネギーホールで歌うと言い出して―。持病を抱えながらも音楽に生きる彼女の命がけの挑戦に、シンクレアも一緒に夢をみることを決める。今、笑いと涙で包まれた奇跡の公演の幕があがる!


■公開情報

「マダム・フローレンス!　夢見るふたり」
2016年12月1日(木) TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー

監督 : スティーヴン・フリアーズ
出演 : メリル・ストリープ、ヒュー・グラント、サイモン・ヘルバーグ
配給 : ギャガ
原題 : Florence Foster Jenkins
公式サイト : gaga.ne.jp/florence

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