映画「ドラキュラZERO」の豪華衣装を「ロード・オブ・ザ・リング」でオスカー受賞のコスチューム・デザイナーが手がける

これまで描かれることのなかったドラキュラの英雄伝説を、最新VFXを駆使し壮大なスケールで描くアクション・エンターテイメント超大作「ドラキュラZERO」が、いよいよ10月31日(金)より公開となる。

膨大な数の世にあふれるドラキュラ物語のモデルとなった実在の男、ヴラド・ドラキュラ。歴史に名を刻む〈英雄〉であり、15世紀半ばにトランシルヴァニア地方を治め、人々から敬愛された君主だった彼は、いったいなぜ21世紀の今日に至るまで、恐怖と共に語られる存在となったのか? そこには、今まで描かれることのなかった、驚愕の英雄伝説が隠されていた──。

15世紀のトランシルヴァニアが舞台となる本作は、セットはもちろん、ヴラドをはじめとしたキャラクターたちのコスチュームにも徹底したこだわりを持っており、それをとり仕切ったのは、アカデミー賞受賞経験のあるコスチューム・デザイナーのナイラ・ディクソン。業界きっての尊敬を集めるコスチューム・デザイナーとして「ロード・オブ・ザ・リング」三部作に参加していた彼女は、アカデミー賞ではオスカー像を見事持ち帰った。

ゲイリー・ショア監督とディクソンはディスカッションを重ねて、コスチュームの色使いを決めつつ、オスマン帝国とワラキアに関するリサーチを行い、15世紀に関連する素材を手当たり次第に調査。そしてヴラドが着用する龍の模様が刻まれた鎧の制作を開始した。

1452年を思い描いて実際の君主の鎧の赤と黒を使い、それにプロダクション・デザインが開発していた竜のモチーフを織り交ぜた。竜の鎧はオスマン帝国で過ごしたヴラドが串刺し公として恐れられていた時代を象徴。

さらに、オスマン帝国の皇帝であり、1000人の少年を差し出せと過酷な要求をつきつけるメフメトの鎧にとりかかる時は、二人の関係を匂わせる必要があった。ディクソンは「二人は表裏一体の陰陽になっていて、メフメトの鎧はピカピカに磨き、彫り物も完璧でないとだめだと思ったんです。ヴラドの鎧は、もっと感情をむきだしにして、えぐく、彫りを深くしました」と説明。



また、「ドラキュラZERO」にはほとんど女性が登場しないため、ディクソンにとっては、ヴラドの愛する妻、ミレナこそがいちばん手ごわいキャラクターだった。「美しさや女性らしさのすべてをミレナに注ぎ込む必要があり、デザイン的にはとても大変な作業になりました。ヴラドの男らしさとミレナの女らしさを出さないといけないのですから」と話している。

脚本を読みこむことによって、ディクソンはミレナの淡くソフトでしっとりとした色使いを想定したが、演じるサラ・ガドンと人物像について話し合った後、すべてはがらりと変わった。ディクソンはこうまとめている。「聖書的な強い色づかいに完全にスイッチを切り替えました」

また、ガドンは細部へのこだわりに感謝の意を示した。

「ヘアメイクのチームもすばらしかったし、ナイラのチームも圧倒されるようなコスチュームを作ってくれたわ。自分のキャラクターをどう作ろうかという時に役立つの。ミレナは皇女だけど、お城の中に閉じ込めてほしくはなかった。女らしさと積極さとの中間をうまく表現できていると思うわ」



是非、本作を観る際には、ドラキュラの戦いをより強く美しく彩るコスチュームの数々にも注目してほしい。

【動画】映画「ドラキュラZERO」予告編



■ 公開情報

「ドラキュラZERO」
10月31日(金)TOHOシネマズ 日劇他全国ロードショー

原題:Dracula Untold
監督:ゲイリー・ショア(長編デビュー作)
出演:ルーク・エヴァンス(「タイタンの戦い」、「ワイルド・スピード　EURO MISSION」)、サラ・ガドン(「コズモポリス」、「危険なメソッド」)ドミニク・クーパー(「マンマ・ミーア」、「デビルズ・ダブル」)ほか
配給:東宝東和