映画「ザ・ウォーク」には、ロバート・ゼメキス監督の代表作「フォレスト・ガンプ／一期一会」と共通点があった

2016年1月23日(土)日本公開となる映画「ザ・ウォーク」。本作は、1974年NYのワールド・トレード・センター間をワイヤーロープ一本でつなぎ、高さ411m、地上110階の道なき空間に足を踏み入れて命綱なしの空中闊歩に挑んだ実在の人物フィリップ・プティが、フランスからニューヨークに渡り、誰もが思いつかなかった未知の世界にチャレンジするまでを描いたヒューマン・エンタテインメント超大作だ。

先日おこなわれた第53回ニューヨーク映画祭ではオープニング作品として上映され、辛口のNY批評家たちを驚愕と興奮の渦に巻き込みました。その波は東京にも到達し、先に行われた東京国際映画祭のオープニングでも「怖いけど見たい!」、「ラスト20分、高さと恐怖を超えた時に、プティと自分が同化し、人生で経験したことがない世界に到達する!」、「まさに映画館でしか体験できないスペクタクル!」と賞賛の声があがっている。

本作のメガホンをとったのは、常に最先端のVFX技術を生かした映像と類まれなるキャラクターに焦点をあてる演出方法で、世界中を驚きと感動で魅了してきたロバート・ゼメキス監督。「フォレスト・ガンプ/一期一会」でアカデミー賞、ゴールデングローブ賞そして全米映画監督組合の監督賞を獲得したゼメキス監督が、時代を超えて愛される同作とこの「ザ・ウォーク」に同様の演出していた事が明らかとなった。

その演出とは、フォレスト・ガンプ本人の個性的な声でストーリーを語らせた「フォレスト・ガンプ/一期一会」のように、本作でも時折主人公のフィリップ・プティ自身にナレーションをさせること。その事により明確になったのは、ワイヤーの上に建つ彼の内面への洞察です。ゼメキスは「一人の男、一人のパフォーマンス・アーティストが、ものすごいいたずらをやってのけるというアイデアが気に入ったんだ」と説明。

さらに、製作のスティーヴ・スターキーも本作に「フォレスト・ガンプ/一期一会」と同じものを感じたといいます。「フィリップが抱いた夢や、その実現に向けて彼が傾けた情熱に心を打たれたよ。映画を作りたいと思うプロデューサーに似ていなくもないな、と思ったんだ。しかもその裏には、スリル満点のケイパー・ストーリー、つまりフィリップが『クーデター』と称した行為を実行する際の緊迫感があった。そして最後には、僕も他の人たちも泣いてしまったんだ。『フォレスト・ガンプ/一期一会』を読んだときと似たような感じだったね」

ゼメキスはこの物語を寓話のようだと口にします。「彼がやったいたずらは違法だし、危険だ。でも誰を傷つけることもない。別の時代の話のようだと思った。今ではもう、こういうものはほとんど見ることはできない。まるで寓話のようだと感じたよ。『むかし、むかし、あるところに…』的な雰囲気、失われた時間や場所の物語という雰囲気が漂っているんだ。そんな事実と非現実感とを融合させたいと思ったんだよ」

大人の寓話と評されている「フォレスト・ガンプ/一期一会」に続く、ゼメキス流新たな寓話の誕生となる。ぜひスクリーンで堪能してもらいたい。


■公開情報

「ザ・ウォーク」
2016年1月23日(土)日本公開

原題 : The Walk
原作 : 「TO REACH THE CLOUDS」 by フィリップ・プティ
監督 : ロバート・ゼメキス
出演 : ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ベン・キングズレー、シャルロット・ルボン、ジェームズ・バッジ・デール
配給 : ソニー・ピクチャーズ　エンタテインメント
公式サイト : www.thewalk-movie.jp